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「A、嘘でもそんなこと言うな。それじゃあ死んだあいつが報われないだろ」
『だって……』
それが事実だ。私のせいでお母さんは死んだ
「……すまない、俺が全部悪かった。そのせいでお前に背負わせる必要のない痛みまで背負わせた」
『だから……!そうやって、謝るのも優しくするのもやめて……』
お願いだから、一回位怒ってよ。
ほんとは私が憎いんだって、妹を奪った悪魔なんかいらないって
そしたら諦めがつくから…
もう見てるこっちが辛くなる。私のせいでこの人を苦しめてるんだって
ずっと言えなくて知らないフリしてたけど、もう無理だよ……
「A、話を聞いてくれ。俺が中条ヒナをここに連れてきたのは、お前を傷つけたくなかったからなんだ」
うそつき。嘘が下手にも、程がある
だってその理由が本当ならおかしいでしょ、どうしてヒナが来ることで私が傷つかなくなると思ったの?
そんなはずないって考えればすぐ分かるじゃん…
その証拠にアイツのせいで私、ここでも散々嫌な目に遭ったのに……
「言っただろう、中条ヒナを呼ばなかったらお前のことで裁判を起こされるって。裁判が起きたら当然、あの家で何があったか話さなければいけなくなる。知らん奴らの前で、自分の口から……
そしたら嫌でも思い出すだろ、お前があそこでどんな日々を送っていたか……あいつらに、どんな風に扱われていたか」
記憶が流れ込んできた。
暗い部屋で、1枚の扉を隔てた先にはヒナ達がいるなかで
私がどんな風にお金を稼がされていたか。
「俺はもうあいつらのせいでお前に傷ついて欲しくなかった。あんなこと、出来ることなら思い出させたくなかったんだ」
肩に乗っている絵心さんの手を振りほどきたいのに、身体が震えて言うことをきいてくれない
「すまなかった。もっと早く言ってればお前を苦しめることもなかったのに……
お前の言う通り、俺は昔お前を見捨てたから、今更保護者ヅラなんかしていいはずないと思った。
だからせめて形で示そうと思ってケーキなんかやったけど……ほんとに必要なのは、そんなものじゃなかったんだよな」
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moyu(プロフ) - それとこの小説最後まで読ませていただきました🙇とても面白かったです。素敵な小説をありがとうございます🙇✨ (9月6日 7時) (レス) id: d9453b28eb (このIDを非表示/違反報告)
moyu(プロフ) - プリ小説というアプリで、この小説と同じタイトルと内容で作られた日時がこちらの小説よりも遅いものが投稿されていて、パクリなのではないでしょうかと思いコメントさせていただきました🙇余計でしたらすみません💦 (9月6日 7時) (レス) id: d9453b28eb (このIDを非表示/違反報告)
楽夜 - 絵心…いいこと言うやん!タマニハ。。。 (5月22日 20時) (レス) @page45 id: e32b518303 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - 絵心さん・・・・めちゃめちゃいいこと言うじゃないですか! 泣いちゃいますよ (2023年3月3日 15時) (レス) @page44 id: fc65f8a88c (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - 私の妹がヒナって名前で草 (2023年2月27日 9時) (レス) id: 7981b3d9d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツナ | 作成日時:2023年1月1日 19時