人狼ゲーム─嘘─【完】【鬼滅の刃】

蟲の部屋 ページ47

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｢しのぶ、まだ寝ないの？｣

｢……姉さん。
うん…少しでも書き留めておきたいの。
あの日、私たちに何が起きたのか｣





私はパソコンを立ち上げ、キーボードに触れる。
そしてそこから文字を打っていった。




＊


今から書くとことは、私たちをあの不思議な館へ招き入れた原因となる、ある一つのゲームアプリについてだ。





"仮想空間人狼ゲーム"




それを知ったのは、動画サイトの広告がきっかけだった。


今までは人狼ゲーム…ましてやゲーム自体やったことも無いし、ましてや、やりたいと思ったこと1度もなかった


けれど、その字面を5秒間見つめた私は、何か不思議な力に吸い込まれるように、気づけばそのアプリをインストールしていた





何故なのかは今も分からない。

ただ覚えているのは、そのアプリを入れる時の記憶が全くないということ。





そして、その不思議なアプリを開いた私は、夜中にも関わらず、どういう訳か、行ったことも見たこともない森の中にある古びた洋館へ足を運んでいた





そして当然のように扉を開いた後、そこからの記憶は一切残っていない






驚くべきことは、今回私と同じように気づけば館の中にいたという人物があと18人もいた事だ。


その中の一人は今も、私たちの誰も知らない、篠宮Aという少女の幻覚を見ているらしい。



無作為に選ばれた私たち19人は、集団失踪事件として、見つかるまでの10日間世間を騒がせた

神隠しだと言う人もいたという。

でももしかしたら本当に神隠しかもしれない


何しろ、私たちが見つかった洋館はどの地図に乗ってはいなくて、地元の人も誰もその洋館については知らないと供述している。




10日間、そこで何があったのかは今でも誰も何も思い出せていない





残っているのは、気づけば見知らぬところで眠っていて、そこで目が覚めたという感覚





私たち19人は同じアプリをインストールしており、最後にログインした日が同じだったため、そのゲームのアプリ制作会社を問い詰めようとしたが、そんなゲームを作った会社はどこにもないという。



そしてアプリ自体いつの間にか消えていたため、誰も事件の真相を辿ることは出来なかった




そのことから、"仮想空間人狼ゲーム"は危険な催眠アプリとして、都市伝説にまで発展した



今も尚、私たちと同じように催眠をかけられて、どこかで人狼ゲームを行っている男女がいるのかもしれない……



＊

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