人狼ゲーム─嘘─【完】【鬼滅の刃】

【10日目】パン屋 ページ39

’




｢話し合い.......しますか｣







始まってしまった




この時が来て欲しくないとどれほど思ったことか。








｢あのう.......｣









沈黙の中、禰豆子ちゃんが聞こえるか聞こえないかの小さな声を上げた






｢私、あの、パン屋、です.......この間の、新しい役職で｣






パン屋？

禰豆子ちゃんが.......







まさか、だから炭治郎の家の味がしたの……？







でも待って、いま禰豆子ちゃんがカミングアウトしたら、共有者である胡蝶さんを抜いて人狼の可能性があるのは私と時透くんに絞られるんじゃ....






｢待って｣







考える前に







｢僕もパン屋なんだけど｣








時透くんが手を上げた









｢はぁ.......パン屋が2人、ですか
Aさんは？何か役職持ちですか？｣






｢あっ、はい
私はこの間、占い師の弟子になりました
そして橋本さんを占ったら彼女は亡くなったので、狐だったんだと思います｣







｢なるほど.......
正直言って、お二人の役職が被ってしまっている以上話し合いを続けても無駄だと思います
なので、私は時間に託したい｣








胡蝶さんが目を瞑りながら言う







｢もう、疲れてしまったので｣








｢そうですね｣


｢そうしましょう｣







｢ま、待ってください！私は本当にパン屋なのに.......！このパンはうちの味です！そうでしょ！？Aちゃん！｣








｢.......ごめん、パン、食べてないんだ
食欲なくて｣









ごめん、禰豆子ちゃん




嘘ついてごめん







｢そんな.......っ｣









投票の時間まで、あと30分

【10日目】最後の投票→←【10日目】覚悟

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す