人狼ゲーム─嘘─【完】【鬼滅の刃】

【5日目】朝 ページ18

’



｢はい、ミルク｣



｢ん、ありがと善逸｣



｢しかし今日も犠牲者がいないなんて、騎士めっちゃすごくね？｣



｢うん、天才だね｣








なんと今日も人狼による犠牲者はいなかった

これで2日連続だ







それにより、今日は皆気分もいい





｢はは！ははははは！｣







特にこの人は。





いつもは滅多に.......ていうか、全く笑わないのに

今日はなんか、何も無いのにすごく笑ってる




｢どうしたのかな、冨岡さん｣



こっそり善逸に耳打ちすると



｢さぁ？わかんね.......嬉しいんじゃん？｣



と、軽く返されてしまった





｢そうなのかなぁ｣





嬉しいっていうより.......まるで狂ってるみたい

瞳孔も開いちゃってるし。






｢.......うるさいなぁ｣






隣で胡蝶さんがぼそっと呟いたのが聞こえてしまった






｢おい冨岡.....いい加減落ち着けよ｣

｢そうだよキメェんだよ｣






天にいと不死川先輩が言っても






｢そうだな……すまない。はははっ｣






冨岡さんは壊れたままだ。






いつも仲良い錆兎さんは何も言わないし.....





まぁ、友人が沢山死んだんだもん。壊れたっておかしくないよね




·




話し合いまでの時間、私は図書館にいた

図書館と言っても、こじんまりとした小さな部屋だ



そこで本を探し、部屋で読むというのを最近繰り返している



何かに没頭してないと、考えすぎて壊れてしまいそうだから







｢今日はどれにしよっか｢やっほ｣わっ！｣





な、なんだ.......






｢びっくりしたぁあ｣







時透くんか....







｢昨日は大丈夫だった？｣




｢うん…微妙かな｣




｢何の本借りるの？｣




｢あーこれ｣





私は手に持っていた本を見せる




｢小さい頃に読んだことがあって.....
なんか、主人公が冒険の最後に命を懸けてラスボスを倒すんだけど、目が覚めたらまた冒険の最初だった....みたいなやつ｣





子供ながらに、繰り返すという事の怖さを知った思い出がある

終わらない……と言った方がいいのかな




｢主人公は一週目の記憶を忘れて、二週目の物語を進んでいくの。でも内容は少し違うんだ｣




｢....ふーん、なんか複雑そうだね｣





この物語には分岐点があって、

敵の強いやつに、お前も仲間にならないか？と聞かれるのだが、仲間になるのとならないので、実は物語の結末が大きく変わるのだ

どうやらこの図書館には、仲間にならない版しかないみたいだ

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