人狼ゲーム─嘘─【完】【鬼滅の刃】

【2日目】善逸 ページ11

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｢うっ、もう......もういやぁ｣

｢男4人がかりで持とう
お前はそっち.......｣

｢悲鳴嶼さんの部屋何番だ？｣





体の大きな男の人たちが、動かなくなった悲鳴嶼さんの体を運んでいく



人を殺めたという感覚が後からじわじわと来て、指先にまでたどり着いた時、その指先は震えて動かない






｢大丈夫か？A｣


｢……うん、ありがとう炭治郎｣






初めて、自分の意思で人を殺したんだ……

私たちが指を指したから、彼は死んだ


この事実が、鎖のようにまとわりついて離れない






甘露寺さんは号泣、橋本さんも時透くんの肩に顔をうずめていた









悲鳴嶼さんを運び終わった男の人達が戻ってきてあと、
やっとの事で、ここに来てから初めての湯船に入ったのだが






｢......｣






全然疲れの取れた感じがしない


でもそれが当然だ。
人を殺した罪悪感が、お湯なんかで流せるはずがないのに。






明日死ぬかもしれない恐怖


先が見えない絶望





それを考えると、ベッドに入ってもなかなか眠れず







温かいものを飲もうと、昼間の食堂へ向かった








｢.......あ、A｣




｢善逸.....｣







またしても先客がいたようで。






私はホットミルクをコップに注ぎ、彼の前の椅子に座る







｢なんか、久しぶりだね
こうやって2人で話すの｣




｢うん。幼稚園以来だもんね｣







善逸は、生まれてから小学生までずっと隣に住んでいて

天にいと善逸と3人でよく遊んでた



そこから私が引っ越し、今の炭治郎の家の近くに住んでいたから



実質、会うのは7年振りとか。








｢こんな再開になるなんてな｣


｢ほんと.......もっとちゃんと会いたかったのに｣








｢ここから出れたらさ｣






しばらくの沈黙の後、善逸が口を開く






｢出れたら？｣







｢また、遊ぼうな｣







思ってたのより随分と可愛い答えが出て、笑いが零れてしまった








｢うん、いいね｣




｢だろ｣







温かいミルクと善逸との時間が、ほんの少しだけ体を休めてくれた。




ここに来て初めて穏やかな時間を経験して、より一層強く願う




明日が、来ないで欲しいと。

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