episode188○ ページ8
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「どうしたの？こんなところで」
｢ど、どうしたのじゃないでしょ！絹ちゃんこそ今まで何してたのっ？学校もずっと休んで、家にも帰ってないんでしょ？みんな心配してたんだよ！？｣
｢Aちゃん……｣
｢お婆さんも先生も、皆心配してたよ……だから、ね｣
帰ろう、と手首を掴んでいた手を下にずらし、指を絡めた。
途端に、貼り付けたような彼女の笑顔が一転して、
｢Aちゃんってほんとさ、嘘が下手だよね｣
地を這うような、冷たい声が耳に届いた。
そして見たこともないくらい、醜悪に満ち溢れた顔が、今私の目の前に。
彼女の体全体から痛いほど伝わってくる、私への嫌悪やら憎悪やらがぐちゃぐちゃになってできた悪意
どうして……？こないだは、普通に話してたのに……
｢馬鹿だから騙せると思った？簡単に連れて帰れるとでも？
残念。もう裏切られるのは慣れっこなの｣
動けない
別にか細い絹ちゃん相手なら、投げ飛ばしてでもしてここから立ち去れるのに
どうして、足が言うことを聞かない……
｢あたしが居ない方がみんな心配幸せなの、分かってるの！だからこうして関わらないようにしてるのにさぁ……ねぇ、なんでアンタが戻そうとするの？元はと言えばアンタのせいなのに。自分は良い子ですって、そんなに認められたいのっ？｣
｢違う……！私ただ、心配で……お婆さんだって、すごく心配してて｣
｢してないよ！私見たもん！精神病棟のパンフレット！あの人は私をそこにぶち込む気なの！自分の手には負えないからって、戻ったら絹を捨てるつもりなの！｣
所詮、バカ息子の方が可愛いんだよ
悔しそうに苦しそうに、そう嘆く絹ちゃん見たらもうなんて声を掛けたらいいのか分からなかった。
でも、ここで手放す訳にはいかない……
せっかく、見つけたんだ
｢…っそしたらじゃあ、それは私が何とかするから……！
だからとにかく、帰ろう……？｣
｢だーかーらー、私には、帰る家がないの！普通に両親がいるアンタとは違うの！絶対わからないの！
………もう、何度も言わせないでよ……｣
ポタリ、と大粒の涙が地面に落ちる。
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S(プロフ) - ああ〜〜幸せ回ありがとうございます。幸せです。次も楽しみにしてます！ (1月27日 8時) (
レス) @page13 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
yuzumaru0911(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！！！最新話まで一気読みしちゃいました。最終更新日が一年前だと知って、少し寂しくなりましたが、また更新される日を待ってます！！ (12月27日 16時) (レス) id: ad1f44c220 (このIDを非表示/違反報告)
パンナコッタ - 面白いです！ (11月13日 13時) (レス) @page8 id: 90e6a5411f (このIDを非表示/違反報告)
まるまる - 新しいお話楽しみにしています (8月25日 15時) (レス) @page8 id: 00e03fa39a (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ(プロフ) - 初コメ失礼します！本当にハマりすぎて昨日こちらの作品と出会って一気読みしちゃいました！涙が止まらなかったり、一人一人の感情を上手く書いてて設定から紡ぐ言葉まで大好きです！！忙しいとは思いますが、応援してます！更新楽しみに待ってます！ (2023年4月26日 8時) (レス) id: e53ffe39b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2022年11月12日 7時
