episode187○ ページ7
’
｢絹ちゃん…！！｣
｢……Aちゃん？｣
運が良かった
ほんとに、この一言に尽きる
彼氏に関する情報も無ければ手がかりもない。絹ちゃんとの電話も繋がらない。
こんな過酷な状況下で探す宛もなく、ただ何となく人が多そうと理由で駅前に来た時だった。
人の多い大通りで目を引く少女が、道路の向こうにいるのを見つけた。
今までは"人の彼氏を取ろうとする子"というフィルターがかかってたから認めたくなかったけど、心境も落ち着いた今改めて見るとやっぱり、絹ちゃんってとても綺麗な子だ。
名前と同じく絹のように艶やかな黒髪が、彼女が歩くのに合わせてはらりと揺れる。
まさかこんなに早く見つかるとは思ってもなかったから、私は息をするのも忘れて点滅している青信号を渡った。痛いほどバクバクしている心臓と共に。
そして入り組んだ路地へと入っていく華奢な背中を追いかけ、やっとのことでか細く白い手首を掴む。逃がさないように、強く。
｢へっ！？｣
突然の事に声を上げた彼女が、勢いよく振り返る。
腕を掴んだのが私だと認識すれば、丸い目が更に大きく開かれる。
｢……Aちゃん？｣
だが、意外にも取り乱すような様子はなく、彼女はただ淡々と私の名前を呼んだだけだった。
見開かれた目も、段々と元の丸い目へ戻っていく。
絹ちゃんの大きくて暗い瞳が、私の心を透かすように見つめた。
私はこの瞳を知っていた。
佐野と同じだったから。
絹ちゃんの命とも呼べる佐野と離れたからだろうか。
かつては羨ましくなるくらいキラキラしていた彼女の瞳が、今はとても暗い。
最後に学校で会った時は、あんなにキラキラしていたのに……彼氏のこと嬉しそうに話して……
「やっと、みつけた……」
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S(プロフ) - ああ〜〜幸せ回ありがとうございます。幸せです。次も楽しみにしてます！ (1月27日 8時) (
レス) @page13 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
yuzumaru0911(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！！！最新話まで一気読みしちゃいました。最終更新日が一年前だと知って、少し寂しくなりましたが、また更新される日を待ってます！！ (12月27日 16時) (レス) id: ad1f44c220 (このIDを非表示/違反報告)
パンナコッタ - 面白いです！ (11月13日 13時) (レス) @page8 id: 90e6a5411f (このIDを非表示/違反報告)
まるまる - 新しいお話楽しみにしています (8月25日 15時) (レス) @page8 id: 00e03fa39a (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ(プロフ) - 初コメ失礼します！本当にハマりすぎて昨日こちらの作品と出会って一気読みしちゃいました！涙が止まらなかったり、一人一人の感情を上手く書いてて設定から紡ぐ言葉まで大好きです！！忙しいとは思いますが、応援してます！更新楽しみに待ってます！ (2023年4月26日 8時) (レス) id: e53ffe39b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2022年11月12日 7時
