51episode ページ2
’
あの日のことは今でも鮮明に覚えてる
前日とは打って変わって、2月の割には暖かい日だった。
あいつの生まれた日というにはピッタリな、愛と陽気に溢れたような日。
俺は今と同じように竜胆とコスメカウンターへ並び、疎い知識と鋭い感覚であいつに似合いそうなアイシャドウと、あと花を買った。花の名前は覚えてない。
そんで夕方辺り、またもやあいつが好きそうな甘ったるいケーキを持って行ったんだ。
結局、花はAに渡す前に枯れたけど
｢……あれ？｣
確かにAの家なのに、Aがいない。
そもそも表札も剥がされているし、前にあった傘や置物もない
単なる偶然が重なっただけか？いやでもこんな……
ケータイに電話してみるも繋がらないし、仕方なく家の前をうろついていたら
｢……もしかして、羽宮さんちのお知り合いですか？｣
見かねた通りすがりの女に声をかけられて、
｢ああ、まぁ……え、これって｣
｢ここに住んでた羽宮さんなら、今日の朝方に引っ越されましたけど……｣
"聞いてませんでしたか？"
｢…………は？｣
バサり、と手に持っていた花束が零れる
そういえば、
"灰谷君、私の事、忘れていいからね"
"やだ。ぜってー忘れない"
"……じゃあ、見つけてくれる？"
あの時のAは、泣いていた気がする
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1804人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月華-Ruka-(プロフ) - この小説見つけてぶっ通しで見ちゃいましたっ。めっちゃいい話でした😭😭😭めっちゃ好きですｯ♡ (1月19日 1時) (
レス) @page17 id: 93316f8902 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - もうなんだろう…泣くよねうん…最高の作品をありがとうございます😭 (12月7日 19時) (レス) @page17 id: 0ce3ef1535 (このIDを非表示/違反報告)
華恋(プロフ) - この作品に出会わせてくれたオススメ欄。ありがとうございます。作者様大好きです。お付き合いを前提に結こn() (8月14日 10時) (レス) @page18 id: 92a816f288 (このIDを非表示/違反報告)
りとぽん(プロフ) - 泣いたぁ好きっ (5月28日 11時) (レス) @page16 id: 8b386ed075 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - こんなに深い話だと思ってなかった、、、！！この作品に出会えて良かったです。言葉では言い表せないくらいに最高でした！！！ (2023年2月8日 19時) (レス) @page17 id: dabadaeb3b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ツナ
| 作成日時：2022年1月15日 0時
