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50episode ページ1






赤、ピンク、オレンジ





彼女の唇に似合うのは何色なんだろう










兄ちゃん、最近少し丸くなったよな。






コスメカウンターでずらりと並ぶ、色の違いなんかほとんど分からないリップたちを眺めていれば、同じく隣でリップを眺めつつも頭は別のことを考えていそうな竜胆の間の抜けた声が俺へ届く






「えー、なにそれー」

「別に。何となく思っただけ」







敢えてその直接的な原因を口に出さないのは、俺に核心的なことを聞かずとも、俺がAと付き合っていることを知ってるからだろう






1番近くで見てきた竜胆は、俺のデカい変化に1番に気がついたはずだし。






「ほら、ほっぺとか。たまには運動したら?」

「うるさー。別に太ってないんだからいいだろ」

「いやまぁそうだけど……
つーか、何時までいるんだよ」






いい加減もう帰ろうぜ。と俺の腕を掴む竜胆

そんな竜胆を俺は心の中で、小馬鹿にするように笑った。

竜胆、お前はまだ本当に愛してる女を見つけてないからな。
俺の事が理解できなくたって当然だ。







「早く帰んねぇとまた九井にドヤされるぜ……無断で抜けてきたんだからさ」

「あー?まぁ平気っしょ」

「…………兄ちゃん、いい加減もう忘れてくれよ……」

「あ、」





竜胆が強引に俺の持っていたリップグロスを奪い取り、元にあった場所に戻しては俺を店から連れ出してしまう。



おい待てよ、まだAへの誕プレ買えてねーんだけど。

去年はあいつが好きそうな感じの香水にしたから、今年は同じブランドの化粧品にしようって考えてたのにさぁ














「………兄ちゃん、あの女がいなくなってからもう10年だぞ!?
頼むから……っ、もう、忘れようよ……」






竜胆の悲痛な響きが、もぬけの殻となった俺に刺さった

51episode→



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月華-Ruka-(プロフ) - この小説見つけてぶっ通しで見ちゃいましたっ。めっちゃいい話でした😭😭😭めっちゃ好きですッ♡ (1月19日 1時) (レス) @page17 id: 93316f8902 (このIDを非表示/違反報告)
アップルパイ(プロフ) - もうなんだろう…泣くよねうん…最高の作品をありがとうございます😭 (12月7日 19時) (レス) @page17 id: 0ce3ef1535 (このIDを非表示/違反報告)
華恋(プロフ) - この作品に出会わせてくれたオススメ欄。ありがとうございます。作者様大好きです。お付き合いを前提に結こn() (8月14日 10時) (レス) @page18 id: 92a816f288 (このIDを非表示/違反報告)
りとぽん(プロフ) - 泣いたぁ好きっ (5月28日 11時) (レス) @page16 id: 8b386ed075 (このIDを非表示/違反報告)
ミウラ(プロフ) - こんなに深い話だと思ってなかった、、、!!この作品に出会えて良かったです。言葉では言い表せないくらいに最高でした!!! (2023年2月8日 19時) (レス) @page17 id: dabadaeb3b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツナ | 作成日時:2022年1月15日 0時

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