episode125〇 ページ35
’
｢な、に……｣
今の音……
今までとは比にならない、素手じゃないもので殴った音がした
｢隆君……！｣
行かなきゃ
隆君と、タケミっち君が無事だって確かめなきゃ
力の抜けた体を奮い立たせて、目の前の扉に手をかける
その時だった
夢にまで出てきた、何度も聞いたあの愛しいコール
彼の……
佐野の……！
｢A……！｣
｢佐野……！なんでここに……｣
気がつけば息を切らした佐野が真後ろにいて、私の肩に手をかけていた
下では龍宮寺君が一人で黒龍の人たちと戦っている
｢お前こそ……三ツ谷は！？中にいるのか？｣
｢そうなの……さっきからずっと、殴られてるような音がして……っ｣
佐野は、震える私の身体をゆっくり引き寄せた
｢A、ここから動いちゃだめだよ？いいね？｣
｢うん……、あ、佐野｣
｢なに……っ？｣
｢隆君と、タケミっち君をお願い……｣
貴方にしか、頼めなくて……
｢……あぁ、分かった。必ず助けるから。
お前は俺らが出てくるまでここにいて。いいね？｣
｢うん……佐野も、気をつけて…｣
大丈夫だよ、と力なく笑った佐野は
一人で扉を開け、中に入っていった
中で何が起きてるかも分からず、かといって入ったら入ったで足でまといになるかもしれないという思考が、頭の中でぐるぐると回る
その間教会の下では、龍宮寺君が黒龍の人達をどんどん倒していた
一人で大丈夫なのだろうなんて、彼にはいらない心配のようだった
中からは相変わらず鈍い音が聞こえてきて、とりわけ1番大きな音が聞こえたと思ったら、
｢あ〜、流石に一人は疲れんな｣
ドカッ、と返り血のついた龍宮寺君が階段に座った
え！？と思い後ろを振り向くと、そこには大勢の黒龍の人達が倒れている
あろうことか、彼は本当に一人で彼らを倒したのだ……
｢龍宮寺っ、大丈夫！？｣
｢あ？平気平気
そろそろ向こうも終わった頃だろ｣
｢え？でも、青宗達が、｣
東卍は負けるって……
｢はぁ？お前マイキーが負けると思ってんのか？｣
｢いや、違うけど…！｣
心配なんだもん、と扉の方を見つめれば
ガチャり、とその扉が開き
｢ひっ！？｣
中からとても大きな身体の、何故かこの寒い中上半身裸の男の人が出てきて腰が抜けそうになった
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kanasimi - マジで泣けました！ 3回も!! 感動しました！ (2022年12月10日 2時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜 - 続き楽しみにしてます♪ (2022年4月19日 7時) (レス) @page45 id: 99859047d6 (このIDを非表示/違反報告)
たむら - 更新ありがとうございます！！今回もいいところで終わって...次回が気になりすぎますっ！！主さんのペースで更新していただけたら幸いです🙇♀️ (2021年12月2日 20時) (レス) id: e5799c3cbd (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - 更新ありがとうございますっ！！！気になる所で終わってるのも流石です。次回更新楽しみにしていますね(*^^*) (2021年12月2日 20時) (レス) id: db1b503228 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - コウさん» めっちゃ好きです！！笑 (2021年12月2日 8時) (レス) id: 4b3554dc38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2021年9月30日 23時
