episode116〇 ページ26
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｢……はっ？ちょっと！なんなんですかいきなり……！｣
ぐいっと高そうなコートの布地を押せば、
神妙な顔つきの灰谷さんがため息を吐いた
いやいや待ってよ、ため息吐きたいのはどう考えても私の方じゃ……
｢やっぱちげぇか｣
｢は？何とですか？元カノですか？｣
すみませんねぇナイスバディじゃなくて…これでもまだ成長途中って信じてるから
｢弥生｣
｢え？｣
やよい
確かに彼は、そう言った
その名前を聞いた途端、周りの街を彩る綺麗な光と、何度も聞いたクリスマスソングが私の視界と聴覚から消えていく
そして身体から熱が、奪われていく
｢……なんで、その名前を……｣
しかも、私に……
｢初めてお前を見た時から、あいつの妹だってすぐにわかった。顔が同じなんだよな｣
｢……どういうことですか｣
なぜ彼が、
なぜ彼が、私の姉の事を……？
姉と知り合い？
でもこんな不良みたいな人がお姉ちゃんの学校にいるはずが……
まって、不良……？
｢っあの、下の名前ってなんでしたっけ……｣
｢蘭｣
｢らん……？｣
『蘭君ってね、不良のくせにあぁ見えてすごく優しくってね！
この間も私が迷子になってたら……』
｢……あ……｣
そうだ……どうして……気づかなかったんだろう
最初、彼の名前を聞いた時……
何かが引っかかる感じがした。でもそれがなんなのかわかんなくて何となく分かりたくなくて
姉との日々が、些細な会話でさえが
あまりに大切で、蓋をしていた記憶だったから
すっかり思い出せなくなっていた
｢あなたが……｣
｢あぁ。お前の姉貴の恋人ってやつ
ついでに言うと海でお前の名前と顔知ってたのも、あいつにうぜぇほど聞かされて覚えてたから｣
思い出した。
お姉ちゃんが毎日口癖のように言っていた彼氏との惚気話……その相手が、彼だったなんて……
｢……じゃあ、海で私に声をかけたのも、今こうして誘ったのは……｣
｢……顔が同じお前といれば、あいつといる気がした……｣
クズだな、俺。と、地面の小石を蹴る灰谷さん
そうか、だからこの人は……
おかしいと思った。こんな大人っぽい人が私なんかを気になるなんて。奇跡か、それかそういう趣味の人なのかとしか思えなかったから。
でもこれで全部、辻褄が合う
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kanasimi - マジで泣けました！ 3回も!! 感動しました！ (2022年12月10日 2時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜 - 続き楽しみにしてます♪ (2022年4月19日 7時) (レス) @page45 id: 99859047d6 (このIDを非表示/違反報告)
たむら - 更新ありがとうございます！！今回もいいところで終わって...次回が気になりすぎますっ！！主さんのペースで更新していただけたら幸いです🙇♀️ (2021年12月2日 20時) (レス) id: e5799c3cbd (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - 更新ありがとうございますっ！！！気になる所で終わってるのも流石です。次回更新楽しみにしていますね(*^^*) (2021年12月2日 20時) (レス) id: db1b503228 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - コウさん» めっちゃ好きです！！笑 (2021年12月2日 8時) (レス) id: 4b3554dc38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2021年9月30日 23時
