episode115〇 ページ25
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クリスマス目前の23日
家から帰ったあと、暖房の効いた部屋で勉強してるフリをしながら漫画を読んでいたら
机に置いていたケータイの着信音が鳴った
開いて画面を見てみれば、それは久しぶりに見た名前で。
｢…………はい？｣
『もしもしAちゃん〜？今ヒマ？おっけぇでかけよっかー』
｢いやいやいや待ってください！無理ですよ急に｣
『んー、ハチ公前20時ね』
｢いやだから話を……！もしもし？もしもし？灰谷さん！？灰谷さん！？｣
私の叫び声は虚しくも届かず、ツー…ツー……という電話が切られたことを告知する音だけが鳴り響いていた
いやいやちょっと待ってよ、ハチ公前20時？
今7時だから……って、あと1時間もないじゃん！
今から支度して行ったってギリギリだし……
出来ることならぜひ行きたくないけど行かなかったら行かなかったで面倒くさそうだし……てか絶対面倒くさいし……
｢はぁ……｣
しゃーない、行くか
｢おかあさーん、ちょっと塾行ってくる〜｣
｢今から？気をつけてね〜｣
はーい、とキッチンにいるお母さんに返事すれば任務完了
マフラーを巻いて手袋もして、玄関を開けて冷え冷えとした世界に入る
全く、なんでたって今日なのよ
あの夏以来会ってないし音沙汰すら無かったからもう会わないものかと思ってたのに……
ていうか、灰谷さん達絶対中学生じゃないよね？
そんな人がなんでガキンチョの私なんかに……
しかも、私の名前を何故か知っていたっていう点も気になる。
教えた覚えないのに。
そんな疑問を残しながら、20時ジャストにハチ公前まで行くと
期間限定のイルミネーションの中に、一際目立つ日本人離れしたスタイルとモデルのような長い手足
一目見てすぐに、灰谷さん(お兄さんの方)だって分かった。
そして彼は私に気づくなり、ずんずんと近づいてくる
……見た感じ、弟の方はいない……？
｢あ、灰谷さ｣
｢久しぶりだな｣
視界が、黒い何かで遮られる
背中に回る腕
ほのかに香る、やけにかいだことのある香り
目の前の黒い何かとは、灰谷さん(兄)のコートだった
私は彼に、抱きしめられていた
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kanasimi - マジで泣けました！ 3回も!! 感動しました！ (2022年12月10日 2時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜 - 続き楽しみにしてます♪ (2022年4月19日 7時) (レス) @page45 id: 99859047d6 (このIDを非表示/違反報告)
たむら - 更新ありがとうございます！！今回もいいところで終わって...次回が気になりすぎますっ！！主さんのペースで更新していただけたら幸いです🙇♀️ (2021年12月2日 20時) (レス) id: e5799c3cbd (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - 更新ありがとうございますっ！！！気になる所で終わってるのも流石です。次回更新楽しみにしていますね(*^^*) (2021年12月2日 20時) (レス) id: db1b503228 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - コウさん» めっちゃ好きです！！笑 (2021年12月2日 8時) (レス) id: 4b3554dc38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ツナ
| 作成日時：2021年9月30日 23時
