episode97〇 ページ7
’
｢Aちゃんお待たせ、｣
魚民君が、どさりと私に覆い被さる
1年半前のあの日の事を思い出させられて、私の目の前が段々と真っ暗になってきた
｢いやぁ！！やだぁ！｣
最後の抵抗に泣き叫ぶ私を、力づくで押さえつける彼もあの日と同じで。
ただあの日と違うのは、今日私は先生にも誰にも助けられず、このまま彼に最後まで事を進められてしまうということ。
｢Aちゃん大丈夫だから｣
｢……ぃゃ、っひぁ｣
｢絶対幸せにするから｣
｢う……っいゃ……｣
彼を蹴ろうと振り上げた足を掴まれて、とうとう抵抗する術が無くなった
｢やだ……｣
嫌嫌嫌
触れないでよ触らないでよ
｢一緒に大人になろう｣
｢ふ、あ、やだ……！｣
｢A！！｣
窓ガラスが割れる大きな音がしたと思ったら、
次に聞こえてきたのは佐野の叫び声
突然の事で頭が追いつかないでいると、真っ暗だった私の目の前は、視界が開けると共に真っ赤に染まっていた
佐野が今までに見たこともないような、怒りに支配された顔で魚民君を蹴りあげ続ける
鍛えてる人でさえ、佐野の蹴りを食らったら暫くは立ち上がれなくなるのに
鍛えてるようには見えない、鈍臭いとか言われていた魚民君が佐野蹴りを……それも何発も食らっている
きっと、何かしら後遺症が残るかもしれない……
それは駄目だ、そしたら、佐野が捕まっちゃうかも……
｢佐野……っ｣
佐野を止めようと彼の腕を掴むも、呆気なく振り飛ばされてしまう
けれど諦める訳にもいかないから、何度も佐野を止めにかかる
｢佐野……佐野！｣
｢離せよA！｣
ダメだよ、佐野……っ
もう魚民君気絶してるよ……
このままじゃ死んじゃうよ……！
｢佐野……っ！｣
殺して
｢佐野！もっと！もっとやって！｣
｢……え……？｣
｢早く殺して！そいつのこと殺して……！｣
｢A……っ？！｣
｢殺しちゃってよ……早く！｣
｢A！！おま、どうしたんだよ……！｣
｢離して！佐野がやらないなら私がやるから！｣
｢A…！？｣
酷いよ佐野、なんでやってくれないの
私そいつに襲われかけたんだよ？
二度と動けない位にしてよ…
佐野は私の事なんかどうでもいいの？
あぁそっか、私佐野にも見捨てられてたんだっけ
誰にも、必要されてなかったんだ……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7274人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kanasimi - マジで泣けました！ 3回も!! 感動しました！ (2022年12月10日 2時) (
レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
桃菜 - 続き楽しみにしてます♪ (2022年4月19日 7時) (レス) @page45 id: 99859047d6 (このIDを非表示/違反報告)
たむら - 更新ありがとうございます！！今回もいいところで終わって...次回が気になりすぎますっ！！主さんのペースで更新していただけたら幸いです🙇♀️ (2021年12月2日 20時) (レス) id: e5799c3cbd (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - 更新ありがとうございますっ！！！気になる所で終わってるのも流石です。次回更新楽しみにしていますね(*^^*) (2021年12月2日 20時) (レス) id: db1b503228 (このIDを非表示/違反報告)
ツナ(プロフ) - コウさん» めっちゃ好きです！！笑 (2021年12月2日 8時) (レス) id: 4b3554dc38 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ツナ
| 作成日時：2021年9月30日 23時
