幼馴染に彼氏を奪われた【佐野万次郎】

episode8〇 ページ8

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｢あのさ、佐野……｣





久しぶりの2人っきりの時間は

私の家の庭にある物置の中で、手を繋ぎながら話していた


家の中に入ろうよと言ったのだが、佐野が家族に迷惑かけるからと言い、狭いけど物が少ないこの中に2人で入った





｢ん、なに？｣






狭いから、佐野の体温の高さがよく伝わってくる

この温かさが好きだ。不思議と安心する






｢あのさ、絹ちゃんの事なんだけどね｣

｢うん｣

｢その、もう少し距離を取って欲しいっていうか……｣






なんというか、と話している途中でじわじわと恥ずかしさが込み上げてきて、濁らせながらもなんとか佐野に伝えると





｢そうだよな……ごめん。嫌だったよな｣





意外にも、佐野はあっさりと引き受けてくれて驚いた
自覚があったということにも驚いた





｢これからは気をつける。A優先で動くから｣





だから嫌いにならないで、と首に手を回された





｢佐野……｣



｢佐野じゃなくて、万次郎がいい｣





頬にすっと佐野の手が伸びる


ゆっくりと、顔が近づいて……






｢万次郎…｣

｢ん……｣





物置に映る、2つの影が重なった





｢もう1回いい？｣

｢うん……｣





この時の私は、いつの間にか嫌だった事なんか忘れていて。
ずっとこの時間が続けばいいのに、なんて呑気に考えていた



あぁ、私も現金だな


どんなに嫌なことがあっても、佐野相手なら簡単に許しちゃうんだもん







＊＊＊＊＊


＜質問＞

─マイキー落ちですか？

今のところ、マイキーとあのもう1人で悩んでいます。が、恐らくマイキーになると思われます！！

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