episode35〇 ページ36
’
込み上げてくる何かを抑えようと、トイレの個室に駆け込めば、どうしようもない気分に襲われた
私は今更何を思ってるんだ
わかってたことじゃない、2人がお似合いなのは……
だけど、だけど……
『A…明日も明後日も、ずーっと俺の隣にいて』
「佐野……っ」
あんなに好きだったんだもん
簡単に忘れられっこなかったんだ
強がってただけで、ほんとは1ミリも冷めてなんかなかったのに。馬鹿だな、私
乱れた呼吸を整えてトイレからでれば、ねぇねぇ と声をかけられる
振り返ってみれば、そこには背の高い男2人組みが。
中学生…にはとてもじゃないけど見えなくて、
その2人のうち1人は、とてもアンニュイな雰囲気をか持ち出していた
「君さっき東卍といた子だよね?」
サラ、と彼の三つ編みが自分の肩をくすぐる
「え?あ、そう、ですけど……」
「おい兄貴、今日は逆ナンされに来たんじゃねーのー?」
な、なんだこのとんでもなく美形な2人は……
これってナンパ?いやでも一体なんで私なんかに……?
特攻服も着てない佐野達のことを東卍って知ってるってことは、
この2人もまた、そっちのタチなんだろうか
「えぇ〜あんなガキほっといて俺らと遊ぼーよ♡」
「ふぅん…まぁいっか
タイプじゃねーけど結構可愛いし♡」
「はい?いやあの、私友達待たせてるんで……」
苦笑いを浮かべながら、肩に回された腕を振りほどこうと触れれば
あーあ、きちゃった。なんて声が頭上から聞こえてきた
きた?来た?何が……
三つ編みの人の、面白がる顔の方を向けば、
「なに、お前何してんの?」
白けた目で、私と2人を見つめる佐野の姿が。
正確には、私を見る佐野が。
「噂のマイキーくんじゃん〜。ねぇちょっとこの子貸してよ」
「帰る頃には返すからよ」
「は?貸すわけねぇだろ。つか触んじゃねーよ
……行くぞ」
「あ、ちょっと……」
ぐいっ、と力強く手を引っ張られてそのまま歩かされる
残った彼らの方を振り向けば、「また連絡するねAちゃん〜♡」と
何故か教えてないはずの私の名前を呼んでいたのでゾッとした
「あ"ぁ"?お前あいつらに名前教えたのかよ?電話番号も?」
三つ編みの人の言葉を聞いた佐野の足が、ピタリと止まる
「え?教えてないよ!」
「じゃあなんで
ギリ、と私の腕を握る手に力が込められる
4889人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ジウ - 泣ける、、、_:(´ཀ`」 ∠): (2月23日 15時) (レス) @page18 id: 30bb11d55f (このIDを非表示/違反報告)
光 と 闇 - ちょっと怖かったです・・・。悲しくて、泣けます。 (2022年12月10日 2時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - めっちゃ泣きました…でも絹って人ラブコメの良い役目を果たしていてちょうど良いラブコメでした頑張ってください!夢主ちゃんとマイキーが仲直りして幸せになるまでずっと見届けてあげたいです!お体気をつけてください! (2022年9月17日 14時) (レス) @page46 id: cca27223f2 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。 - 小説で泣いたの初めてです……泣 (2022年7月14日 17時) (レス) id: 8fcd36f022 (このIDを非表示/違反報告)
星空(プロフ) - 小説で泣いたの久しぶりなんだけどぉぉぉ!!・゜・(つД`)・゜・ (2022年1月3日 7時) (レス) @page47 id: 6329fbc5cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ツナ | 作成日時:2021年8月3日 19時