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episode30● ページ31





翌日、絹の体温を測ったら微熱だけれど熱は下がっていた



「じゃあ絹、俺用意しなきゃだから」



「嫌……行かないでマーくん
私を置いていかないで!!」



「無理だよ、今日は約束あるからって言っただろ」



「やだ!やだやだ!行かないでマーくん!
いい子にするから!なんでも言うこと聞くからいなくならないで!1人にしないで!」



「絹、まじで……」



勘弁してくれよ……


今日は待ちに待ったAとのデートなのに

死ぬほど楽しみだった。明日Aに会えると思ったら、幸せで仕方なかった




「じゃないと死ぬから!!マーくんが行くって言うなら私死ぬから!!!」






がしっ、と自分の首を力強く締め出した絹


こうなってしまったら、もう誰にも止められない



絹はいつも本気だった。前に1度冗談かと思って放っといたら、知らぬ間に救急車に運ばれていた

こいつは、死ぬと言ったら本当にやり遂げる女




「もうこれで、これで最後にするからマーくん……!
今日は、行かないで!」



なぜ今日なのか。
それは今日は絹の親父が捕まった日だったから。
同時に生涯残る傷を負わされた日だから。
この日になると、昔から絹は酷く怯えていた

現に今も、俺を掴む腕はガクガクと震えている




「っ……次はねぇからな」



「うん……!ごめんね、ありがとう……マーくん大好き」







俺は泣く泣くAに、熱が出たからごめんとメールを入れた

Aを傷つけたくなくて嘘をついた


でも本当に泣きたいのはAだった


そんなこと、考えればすぐ分かったことなのに




どうして、俺は……。





「A……!?なんで…」


「いや、風邪って言ってたから……」




その後、Aは俺を心配してお見舞いにまで来てくれたのに






「離して……!もういい!だいきらい!佐野なんかだいっきらい!
二度と話しかけないで!」





俺は、最低なことをしてしまった

しかもAの涙を見るまでそれに気づけなかった。




「A……!」





本当は、すぐにでも追いかけるべきだった


けれど大好きなAに、大嫌いと言われたことが
自分で思ってる以上にもショックだったらしく





「A……っ」






情けなくも、俺の足は動かなかった

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ジウ - 泣ける、、、_:(´ཀ`」 ∠): (2月23日 15時) (レス) @page18 id: 30bb11d55f (このIDを非表示/違反報告)
光 と 闇 - ちょっと怖かったです・・・。悲しくて、泣けます。 (2022年12月10日 2時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - めっちゃ泣きました…でも絹って人ラブコメの良い役目を果たしていてちょうど良いラブコメでした頑張ってください!夢主ちゃんとマイキーが仲直りして幸せになるまでずっと見届けてあげたいです!お体気をつけてください! (2022年9月17日 14時) (レス) @page46 id: cca27223f2 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。 - 小説で泣いたの初めてです……泣 (2022年7月14日 17時) (レス) id: 8fcd36f022 (このIDを非表示/違反報告)
星空(プロフ) - 小説で泣いたの久しぶりなんだけどぉぉぉ!!・゜・(つД`)・゜・ (2022年1月3日 7時) (レス) @page47 id: 6329fbc5cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツナ | 作成日時:2021年8月3日 19時

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