episode19〇 ページ19
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って、考えてるの私…
今はそんなこと考えてる場合じゃない
龍宮寺君の無事だけを考えなくちゃ
しかし待てど待てど、手術中のランプが消えることはなく、冷房の効いた院内で体だけが冷えていく
「へっぷしっ…」
「Aちゃん寒い?って冷た!」
これ着てな、と三ツ谷君の着ていた上着を着せてくれる
「ありがとう……」
もう、何時間待ったのか分からない
ただ皆、龍宮寺君の無事だけを祈っている
一向に終わらない手術に、皆不安を募らせていた時だった
赤色だったままのランプが、ついに消えた
そして中から、深刻そうな顔をしたお医者さんが出てきて
「……一命はとりとめました」
「へ?」
「手術は成功です」
「よーーーっしゃあああああああ!
やったあああ!ドラケン君が助かった!!!」
「よかっ、た……」
安心して気が抜けて、地面に膝を着いてしまった
「ひぃーーんヒナぁああ」
エマも安心しきって、涙腺が崩壊したように涙を流している
エマ……良かったね
龍宮寺君助かったよ
「わー、あがってる」
重たい身体を起こしてなんとか外に出れば、すっかり雨はやんでいた
集まっていた東卍の皆も、龍宮寺君の手術の成功を知って安心したように帰って行く
「心配かけやがってさ……」
佐野も、息を吐きながら壁に項垂れていた
病室の前では、平然を振舞ってたけど
やっぱり無理してたんだね…
私たちを不安がらせないように、自分も怖かったはずなのに……
でも、本当に助かって良かった……
「おわっ」
安心したら膝からよろけてしまった
「っと、大丈夫?」
「うん……ありがとう三ツ谷君」
完全によろける寸前で、隣にいた三ツ谷君が肩を持って拾ってくれた
「いっ!」
「あれ、Aちゃん……なんか肩濡れて……」
何だろう今、三ツ谷君に触られた肩がすごく痛かった
今も、ズキズキ痛い……
「Aちゃん……!これ……!」
そう叫びながら、三ツ谷君が青い顔で見せてきた彼自身の手
その手は、真っ赤な液体で濡れていた
これは……
「A!!」
「佐野……っ?」
「なんで、血が……っ」
血?
「うそ…」
なんで、血が……
まさか、
『コラ待てやぁ!』
あの時の男のナイフ……
気づいてないうちに掠ってたんだ……
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ジウ - 泣ける、、、_:(´ཀ`」 ∠): (2月23日 15時) (レス) @page18 id: 30bb11d55f (このIDを非表示/違反報告)
光 と 闇 - ちょっと怖かったです・・・。悲しくて、泣けます。 (2022年12月10日 2時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
杏子 - めっちゃ泣きました…でも絹って人ラブコメの良い役目を果たしていてちょうど良いラブコメでした頑張ってください!夢主ちゃんとマイキーが仲直りして幸せになるまでずっと見届けてあげたいです!お体気をつけてください! (2022年9月17日 14時) (レス) @page46 id: cca27223f2 (このIDを非表示/違反報告)
めろ。 - 小説で泣いたの初めてです……泣 (2022年7月14日 17時) (レス) id: 8fcd36f022 (このIDを非表示/違反報告)
星空(プロフ) - 小説で泣いたの久しぶりなんだけどぉぉぉ!!・゜・(つД`)・゜・ (2022年1月3日 7時) (レス) @page47 id: 6329fbc5cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツナ | 作成日時:2021年8月3日 19時