夏 ページ36
千冬▪Aside
それから、月日は立ち蝉のなき声が五月蝿く(うるさく)アスファルトに強い日射しが照りつける夏になった。
夏のデートは海の近くのウォーターガーデンに行くことにした。
車の窓から見える広くてキラキラした海を横目にまっすぐ進んでいくと、ヤシの木が見えて、どこか南国の国を思わせるような。レジャー施設に着いた。
私と松野君は入場口でチケットを見せ、各々更衣室に入っていった。
更衣室にて
千冬side
とうとう、この時が来てしまった。これはいわゆる水着デートだ。
Aさんはどんな水着なんだろう。あんまりセクシー過ぎたら嫌だな。他の奴にナンパされたりしたら、Aさんが怖がるだろうし、俺はナンパした奴に手をあげるかも。
更衣室にて
Aside
私、そんなにスタイル良くないから、ビキニとか着れないな。高校の時の水着で良いや。
高校の頃と体重変わってないし、大丈夫そうだ。
よし、着れた
千冬side
俺が着替えを済ませて、プールサイドで待っていると、遠くからAさんの声がした。
『松野君、お待たせ』
なんだ、普通の水着じゃないか。
彼女は上は赤いノースリーブで下は黒い短パンで上下が別々になった水着を着ている。
だが、安心したのもつかの間、水着のデザイン事態はシンプルだが、以外にもAさんは、胸があるため、谷間から見えてしまいそうだ。このままだと目のやり場に困るな
千冬「Aさん、日焼けすると、いけないからこれ、着とけよ」
俺はそう言って、持っていたパーカを彼女に渡した。
『日焼け止め塗ったし、大丈夫だよ。松野君こそ、肌弱そうだから羽織っときな』
Aside
松野君、男性なのに肌白くてキレイ、何気に腹筋割れてて、細マッチョだし。って私ヘンタイじゃん。
松野君、お願いだからパーカを着てください
変に意識しそう
気づけば私達はお互いに背中を向け合って、壁にヘッドバンしていた。
子供「ママ、あの人達壁に頭打ち付けて何やってんだろ」
ママ「イカれた人達だから見ちゃダメよ」
それから、この奇妙な光景はしばらく続き、松野君がその光景を打ち破った
千冬「Aさん、良いから着とけよ、前もちゃんと閉めろ」
そう言って彼は私にパーカを羽織らせ強引にチャックを閉め始めた。
『あ、ありがとう、でも松野君そんなに強引に閉めるとヤバイかも』
千冬「えっ、何言って」
パーーン!!
次の瞬間パーカのチャックが弾き飛び俺のパーカは彼女のバストに敗北した。
まあ、中学から使ってたやつだし、元は取ったよな。
『だから、言ったんだよ。松野君ごめん』
千冬「気にすんな、今から売店でお揃いの服買おうぜ」
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作者名:蒼井薔薇 | 作成日時:2023年1月29日 9時