一ヶ月後貴方side ページ34
今日は、私のお母さんが、午後から家に来ることになっている。
どうやら、私がちゃんと、自立して生活しているか不安らしい。
ピンポーンと玄関のチャイムが鳴り、ドアを開けると、色白で長身の綺麗な女性がいた。私の母だ。
母は、医者の仕事をしていて、容姿もとても整っているので、美人過ぎる美容外科医として、度々テレビにも出ている。
そのため、私の実家はかなりのお金持ちだ。
母「あんたが、ちゃんと生きてるか心配だから来てやったよ」
『お母さん、いらっしゃい、久しぶり』
そう言って、私は母に抱きついた。
母「甘えて来たからって、容赦はしないよ、ちゃんと生活できてるか、隅々までチェックだ」
『どうぞ』
そうして、母は、私の部屋や風呂場、流し台などの水回りまで全てチェックし終えた。
母「あら、思ったより、綺麗にしてるね」
母「洗剤もちゃんと適切な物を使えているし、流し台のネットもこまめに変えてるね」
母「安心したよ」
『でっしょー。松野君が全部一から教えてくれたの』
母「ええ、A松野君にそんな事までさせたの?」
母「さぞ、大変だったろうに、松野君には感謝しないとね。」
母「よし、あんた、今から菓子折り持ってお礼しに行くよ」
『いきなり、店に押し掛けたら失礼だよ』
母「そんな事、言ったって、明日には私、関西のバラエティー番組に出演しないとなんだから、今日しか行けないんだよ」
そう言って、母は荷物をまとめると、何故か隣の大家さんの家に行った。
私は気になり、戸締まりを済ませて、母を追いかけた。
母「あの娘、ちゃんと生活出来てるみたいだね」
大家「ああ、そうだね母さん、あの子は素敵な人を選んだよ」
大家「僕に似て、人をみる目があるんだね」
母「もう、そろそろ変装も辞めて、良いよ」
大家「そうだね」
そう言って、大家さんは、自分の顔の顎辺りに手を入れて、フェイスマスクを外した。
『ええ、おじいさんが若返った』
『っていうか、お父さん』
母「うるさいよ、あんたはいつから着いてきたんだよ」
『ごめん、少し気になって』
父「やあ、A久しぶり、僕の可愛い娘」
『ええ、いつから、大家さんになってたの?』
父「君が新居を借りた日から、まさか本当に事故物件に住むとは思わなかったけど」
『前の大家さんはどうしたの?』
父「前の大家さんが、ここの管理人になって、不動産投資をしようとしたらしいんだけど、事故物件っていうのが、災いして、誰も入居者が来なくて、嫌気が指したから、辞める事にしたんだって」
父「心配しないで、その大家さんには、家一軒分くらいの額を譲り受ける時に渡したから」
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作者名:蒼井薔薇 | 作成日時:2023年1月29日 9時