焼き肉パーティ ページ31
千冬▪A▪大家さん
俺達はAさんの家に戻り、早速カセットコンロとフライパンを出し、大家さんも呼び、焼き肉パーティを始めた。
折角だから、皆の食べている物をシェアしている。
千冬「大家さん、Aさん少し胃がムカムカしてきませんか?」
千冬「よかったら、レモン汁で味付けた物も食べてみてください」
『ありがとう、松野君、お陰でさっぱりした』
大家「ちょうど、胃がムカついてた所なんだ、これだから年取るのは嫌だな」
大家「そろそろお腹も膨れたし、年寄りは帰らせて貰うよ」
大家「後は若い者どうしで、楽しみな、くれぐれも節度は保ってくれよ」
大家「じゃあね」
千冬▪A
『「ありがとうございました」』
私達がお礼を言うと大家さんは自室に帰ってしまった。
Asideどうしよう、松野君と二人きりだ緊張するな。
『松野君、今日は色々ありがとう』
『私達、別れようか』
千冬「はっ、急に何言ってるんだよ、面白くない冗談だな」
松野君の表情はいつにもなく悲しそうだった
『だって、私、女なのに生活力ないし、今日だって結局一人で対応出来ずに大家さんと松野君に迷惑掛けたし』
『もう、良いよ、松野君、私といると疲れちゃうよ』
千冬「確かに疲れた、けど、楽しかった」
『えっ』
千冬「皆で何かを成し遂げて、美味しいもの食って、達成感を共有するって最高じゃね」
千冬「それに、Aさんなりに頑張った結果だろ」
千冬「風呂場に入った時に頭痛くはなったけど、しっかり綺麗に掃除した痕跡はあった、ただ知識がなかっただけだろ」
千冬「これから、その辺はちゃんと教えるから、すぐに出来るようになるはずだぜ」
『ありがとう、松野君、私の事嫌いになってない?』
千冬「10年越しの思いだから、そう簡単には冷めないぞ」
千冬「むしろ、手のかかる子の方が可愛いなんてな」
そう言って、彼は頭を撫でてくれた。
『ありがとう、私頑張れそう』
そうして、私達はリビングのソファに座り、先ほど私が作った、プルコギと共にマッコリを楽しみながら、テレビを着けた。
千冬「この、プルコギ、うますぎる」
千冬「Aさん、料理上手だな」
『ありがとう、私の取り柄ってこれくらいしかないから』
千冬「そんなこと無いだろう、Aさんといると俺とっても前向きになれるんだ」
すると、私と松野君はほぼ、同じタイミングで、お酒を吹き出した。恐らく見てた番組のせいだろう。
テレビのテロップには、
[密着IT 若手社長の一日]
とあり、誰もが一度は憧れた港区のタワマンが出てきた。家賃は何と50万、私の家賃の10倍だ。
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作者名:蒼井薔薇 | 作成日時:2023年1月29日 9時