デート後 ページ23
Aside
私はコンビニでお弁当を買ってから、家に帰宅し、入浴を済ませて、なんとなくリビングのソファに座った。そして、また、彼らの事を考えた。
松野君って、優しくて素敵な人だな。今日は彼に頭を撫でられた。私は正直言って頭を撫でられるのが好きだ。前の彼も最初は優しく
頭を撫でてくれたな。何だかほっとしたな。
でも、いつからだろう、会うたびに胸や太ももを触って来るようになって、いつの間にか嫌悪感が募ってしまったんだ。彼は本当に私を大切に思ってくれていたのだろうか。でも、彼が本気だったなら傷付けたのも事実。
そして、今の私が松野君と出会って幸せなのも事実。
元彼もどこかで気の合う人と幸せになって、温かい家庭を築いてくれてたら嬉しいな。何だか、少し悲しげな人だったから。
松野君は凄く優しい、でも、無理させてないかな。
そんならしくない事を思いながらテレビを着けると川越特集なる物がやっていた。
両サイドには、駄菓子屋や和風雑貨のお店その他諸々さつまいものお菓子のお店が等間隔で立ち並び、真ん中の通路は大きめの白いタイルが敷き詰められて、歩きやすく補整されていた。
何か昭和時代と大正時代が混ざったような不思議な場所だな。
楽しそう。
それから、俳優さん達が大正時代の車を模したシャトルバスに乗り、どこかへ向かった。
川越の氷川神社だ、俳優さん達が降りたバス停の道路沿いに大きくて立派な鳥居が現れ、鳥居をくぐり抜けると両サイドに流れの緩やかな小川があった。
サラサラと流れる水の音で心が癒される。
境内の手前には京都の千本鳥居に似た赤い鳥居が立ち並んでいる。
良く見ると鳥居と鳥居の間に何かを引っ掻けるような正方形の木の枠組みがあった。
春以降に氷川神社に行くと赤や緑や黄色や青の風鈴がぶら下がるらしい、ネットで画像を調べるとそれはとても綺麗だったし、氷川神社は縁結びで有名らしい。
松野君に今度行きたいとこを聞かれたらここを答えよう、ついでに風鈴にぶら下げる絵馬には元彼がいい人と巡り会って幸せになれるように書こう。
これが私なりのケジメであり、彼との決別だ。
いつまでも過去に捕らわれるのは辞めよう。
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作者名:蒼井薔薇 | 作成日時:2023年1月29日 9時