やさぐれエンジェル (ページ20)

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私達は、クラゲの水槽をくぐり抜け、水族館の外にある展示を見に行った。

そして、私達の頭上には、透明の大きな流し素麺器のような形をした、水槽があり、その水槽の上をペリカンが歩き、たまに外に向けて大きな翼を広げている。

その他には、大きめのプールがあり、アザラシやアシカが気持ち良さそうに目を細めて泳いでいる。

『皆、気持ち良さそう、私も一緒に泳ぎ
たいな』

千冬「そうですね」

千冬side
あれっ、Aさんって意外と子供っぽくて無邪気だな。それはそれで可愛いかも

『あっ、でも、私金づちなの忘れてたよ』

千冬「俺が今度、泳ぎ教えましょうか？」

『嬉しいけど、大丈夫かな』

『私他の子より少しぽっちゃりしてるから、好きな人に水着姿晒せないし』

『まずはダイエット頑張らないと』

千冬「俺は別にそのままでも、良いと思いますよ。」

千冬「最近の子は痩せすぎてるから。」

『ありがとー、そう言ってくれるのは松野君だけだよ』

Aside

それから奥に進むと、大きな正方形の水槽の中にペンギンが沢山泳いでいた。今日は外の天気がとても良く、清々しいほどの青空だったので、水槽の中が青く見え、ピンク色の可愛らしいマンションが水槽のガラスに反射していた。

まるで、海底都市をペンギンが泳いでいる様だった。

『綺麗、水槽の中に街が浮いてるみたい』

『まるで、海底都市だね』

千冬「Aさんはロマンチストですね」

『そうかな？』

千冬「そうですよ」

千冬side
独特な世界観を持っている子だな。会えば会うたびに知らない一面が見えて、飽きない人だ、もっと彼女を知りたい。

side無し

それから、二人は水族館になぜか展示されているカワウソや、海外の毒を持ったカラフルなカエルを眺めて、お土産屋さんに寄った。

そして、二人はお土産屋さんで各々買い物を済ませて水族館を後にし、アニマル喫茶に向かった。ただのアニマル喫茶ではつまらないので、フェネックやフクロウ、兎やハリネズミなど多種多様の動物と触れあえる喫茶店に向かった。

カタカタチリンと控えめな音を上げた貝殻のドアベルに出迎えられ、店内に入ると、小柄な可愛らしい女性店員さんに促されて、席に着いた。