第二十三話 ページ25
嫉妬…?むいくんが…?
驚きと嬉しさで呆けていると、むいくんがこちらへ手を伸ばしてくる。ドキッとしたが、間髪入れずにやってきたのは中々強烈なデコピンだった。
『痛いっ!!…急に酷いよむいくん!!』
「変な事言うからでしょ」
むいくんは私の顔を1度見て、すぐに逸らす。
「嫉妬なんて……する訳ないでしょ。Aが何しようが僕に関係無いんだから」
ズキンと胸が痛んだ。今までで1番、心を抉られたかもしれない。
…あ……やばい…
『……なら…呼び方だって…むいくんに関係無いじゃん…』
…泣きそう。声が震えてるのが自分でも分かる。
「……A…?」
狡い。関係無いのに、そんな優しい声で名前を呼ぶなんて。
毎日毎日、むいくんへの想いは募っていく。私ばかり、こんな思いをして。
むいくんは…私の事なんか何とも思って無いのに。
…悲しい。
本当に悲しくて…悲しくて。
『ばぁーか!!』
「……は…?」
無性に苛つく…!!
怒りで涙なんか引っ込んだよ!可愛いヒロインみたいじゃなくて悪かったね!
『ばーかばーか!!』
「ちょっと…」
関係ない…なんて言わないでよ。私を見てよ。
『好きだよ、ばーか!!』
…私を……好きになってよ。
驚いているむいくんを置いて私は屋敷を出た。
なんてムードが無い告白だろう。後悔しても、もう手遅れだ。
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uru(プロフ) - 愛NAさん» ありがとうございます!自分ではまだまだと思っているのですが、そう言って下さり嬉しいです!!これからも頑張ります! (2020年8月18日 19時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
愛NA(プロフ) - 小説の書き方上手過ぎませんか…??ちょっとシリアスだったり面白かったり、何かもう色々と凄って思いました。陰ながら応援させて頂きますね…! (2020年8月18日 18時) (レス) id: d66500f3cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憂流 | 作成日時:2020年8月2日 15時