354時間目 ページ30
糸は一切使わず、痕１つ残さず傷口が塞がっていく。
「ふぅ、後は心臓が動けば蘇生します。“生徒が学校で土手っ腹をぶち抜かれた時の対処”マニュアル通り完璧な筈です」
「「「そんな大惨事フツー想定してねーよ！！」」」
思わずツッコミを入れるが、この先生に常識が通用しないのは分かりきった事だ。
「今だから言いますが、例え君達の体がバラバラにされても蘇生出来るよう備えていました。先生がその場にいさえすれば」
────先生が生徒を……ちゃんと見てさえいれば。
殺せんせーは触手に電気をため、水本さんに電気ショックを入れた。
『か……はっ…！』
固く閉じられていた目が開く。水本さんは驚きながらゆっくりと起き上がった。
ーA視点ー
急に肺に空気が入ってくる。それから目を開ければ、見慣れた姿が幾つも見えた。起き上がりながら現状を把握しようと脳を働かせる。
『……わ、たし…。…また助けられたんですね』
そう言えば、殺せんせーは微笑んだ。
「何度でもそうしますよ。水本さんは私の大事な生徒ですから」
その言葉に私も微笑む。
なんとなく理解できた。全部終わったのだ。あの異次元の戦いも、殺せんせーが勝ったのだろう。
……２代目死神。彼は、救われたのだろうか。
前に彼から貰ったエリカの花。花言葉は“孤独”。
孤独だったのは…彼の方だ。
あの時花を渡したのは、私が彼と似ていると感じたからだろうか。
もし、私が誰にも本心を話さないままだったら…助けて貰わなかったら…
Ｅ組の皆に出会わなかったら…
多分私は…正真正銘、孤独だっただろう。
「「Aちゃん！！」」
カエデちゃんや陽菜乃ちゃんが私に抱きついてくる。その温もりに安心して泣きそうになった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 632人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
uru(プロフ) - 麗さん» 教えて下さりありがとうございます！ (2020年9月12日 15時) (
レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 325時間目の離してくれないかしらも話してくれないかしらだと思います (2020年9月12日 10時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
uru(プロフ) - 澪桜さん» そんな風に言われるとすごい照れますね笑頑張って下さいね！！ (2020年7月19日 22時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
澪桜(プロフ) - わー！ありがとうございます！uruさんってすごく優しいですね！私もuruさんのようになりたいです！聞き上手？な私にもできることを見つけて頑張ります！ (2020年7月19日 21時) (レス) id: 5d0f326b17 (このIDを非表示/違反報告)
uru(プロフ) - しーちゃんさん» うわー！ありがとうございます！拙い部分もあるのに憧れて下さるなんて…。これからも頑張りますね！！ (2020年7月19日 19時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：憂流 | 作成日時：2020年7月18日 14時
