346時間目 ページ22
注射器を刺した途端、柳沢さんの様子が変わっていく。
恐らくアレは…触手の種だ。
「関節、筋繊維、脊髄、神経、全身でなくとも要所に触手を少しずつ埋め込めば、人間の機能を保ったまま超人になれる」
柳沢さんは一瞬で殺せんせーの背後に回り込み、左目から光を出した。
あの光には見覚えがある。堀部君が最初に登校した時に使った光線だ。あれを受ければ殺せんせーは動けなくなる。
「無惨に死ねモルモット……愛する生徒に一生の傷が残るように！！」
「なんのッ！！」
加速をつけた２代目死神の触手を殺せんせーは受け止める。
「皆さん、さっきの授業で言い忘れていた事があります」
殺せんせーがこんな状況の中、私達に向かって叫ぶ。
「如何に巧みに正面戦闘を避けて来た殺し屋でも人生の中では必ず数度、全力を尽くして戦わねばならない時がある。
先生の場合……それは今です！！」
一撃一撃が衝撃波を生む、規格外の闘いが始まった。
動きは全然見えないけれど、圧倒的に殺せんせーが押されている事は分かる。倍の速度を持つ２代目の攻撃と、体も頭脳も超人になった柳沢さんの援護。
私達は衝撃で吹き飛ばされない様に耐えるしかなかった。
「絶望だろう、モルモット！！２人×触手×天才×憎悪の力！！お前如きの力をとうに超えてるぞ！！」
圧倒的な力に体は固まって動かない。ボロボロになっていく殺せんせーをただ見ているしかなかった。
物音が聞こえてそちらを見ると、千葉君が持っていた銃を落としていた。
私はそれを見て、自分のナイフに手を当てる。
２代目死神も柳沢さんも、私に多少の興味や関心は有った。此処で出て行けば、一瞬だけでも彼等を引き付けられるかもしれない。
その一瞬で、殺せんせーなら何とか出来る筈だ。
でも……
私は自分の斜め前にいるカルマ君を密かに見る。
一瞬だけ引き付けられても…多分、その後は……
''…もう、死のうとしないでよ。いなくならないで欲しい''
グッと奥歯を噛み締め、下を向く。もう少し前の私だったら何も考えずに、恐れずに出て行けたかもしれないのに。
自分の無力さに心底嫌になる。
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uru(プロフ) - 麗さん» 教えて下さりありがとうございます！ (2020年9月12日 15時) (
レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 325時間目の離してくれないかしらも話してくれないかしらだと思います (2020年9月12日 10時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
uru(プロフ) - 澪桜さん» そんな風に言われるとすごい照れますね笑頑張って下さいね！！ (2020年7月19日 22時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
澪桜(プロフ) - わー！ありがとうございます！uruさんってすごく優しいですね！私もuruさんのようになりたいです！聞き上手？な私にもできることを見つけて頑張ります！ (2020年7月19日 21時) (レス) id: 5d0f326b17 (このIDを非表示/違反報告)
uru(プロフ) - しーちゃんさん» うわー！ありがとうございます！拙い部分もあるのに憧れて下さるなんて…。これからも頑張りますね！！ (2020年7月19日 19時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憂流 | 作成日時：2020年7月18日 14時
