319時間目 ページ39
「…冬休みの時とは別人の様だね」
『たくさん悩んだ結果が今の私です』
１人では絶対にこんな風にはなれなかった。
「君は…今幸せかい？」
その言葉に驚いたが、微笑んで頷く。
『はい、幸せです』
そうか…と言って、立田さんはゆっくりと立ち上がった。
「ありがとう、話してくれて。悪かったね、君の事をしつこく探ってしまって。
少し考えてみるよ。これから先の事を」
微笑んで言った立田さんは背中を向けて去って行く。
私はその姿を見ながら、ベンチに座ったままでいた。
…疲れたな。今日は色々考える事か多かった気がする。
『(あ…無事に終わった事を連絡しないと)』
携帯を取り出すと、メッセージが来ていた。送り主はカルマ君だ。
''話終わったら連絡して''
終わったと送信すると、すぐに既読が付いた。
''今どこ？''
''まだ公園にいます'''
''そっちに行くからそのままいて''
了解ですと送った後、浅野君にもメッセージを打とうと思う。きっとすごく心配しているだろうから。
ジャリ…と音がして顔を上げる。そこにいたのは今メッセージを打とうとしていた相手、浅野君だった。
『浅野君…？どうして…』
「悪い………心配で近くまで来ていたんだ」
申し訳無さそうにする浅野君に首を振る。
『ううん、心配になるのは分かりますから』
そう言った後に沈黙が流れる。何となく浅野君の様子がおかしいような…。どこか元気が無いように見える。
『浅野君、何かあったんですか？』
いや…と言葉を濁す彼を見てやっぱり変だと思う。
『…何かあったなら頼って下さい。たくさん助けてくれたから、今度は私が力になりたいんです』
私は浅野君の目を見て笑いかける。彼は一瞬目を見開き、下を向く。
次の瞬間、私は腕を引かれて浅野君に抱き締められた。
いきなりの事で何が起こったのか分からない。数十秒かけて漸く状況を理解する。
『…あ…さの…君？』
「……本当は…“心配”だって建前なんだ。Aに会いにきたのも」
浅野君は私の耳を塞ぐ様に手を当てて微笑み、口を動かした。だけど私は、何を言っているのか分からなかった。
''話したいことよりも何よりもただ逢うために逢いたい''
──────その言葉は、とある文豪がＩｌｏｖｅ ｙｏｕを訳した言葉だと言われている。
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uru(プロフ) - らぅさん» コメントありがとうございます！ここまで読んで下さり本当に嬉しいです！高校生編は最近連載し始めたので是非読んでみて下さい。 (2020年8月13日 21時) (
レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
らぅ - コメント失礼します！！題名に惹かれて1話を読んでからあっという間に7話まで読み進めてしまいました‥w本編終了後は【2】が良いです！！高校生になってからの夢主ちゃんと赤羽くんのいちゃいちゃも見たいし‥(((長文失礼しました！！更新頑張ってください！！ (2020年8月13日 20時) (レス) id: 825ada6d1a (このIDを非表示/違反報告)
uru(プロフ) - 澪桜さん» ありがとうございます、頑張ります！本編と共に、オリジナルの方も少しずつ考えていますので、是非楽しみに待っていて下さい！ (2020年7月4日 20時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
澪桜(プロフ) - わーこれからどうなるのー！？ヤバい！めっちゃ楽しみです！！いつも勉強の合間に読んでて毎日の癒しなんですよ〜。だけどだんだん終わりが近づいてきて少しさみしいな〜なんて笑これからも頑張ってくださいね！uruさんのオリジナルのやつも楽しみにしてます！ (2020年7月4日 18時) (レス) id: 5d0f326b17 (このIDを非表示/違反報告)
uru(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» コメントありがとうございます！確かに…高校生編はあまりありませんね… (2020年6月21日 12時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憂流 | 作成日時：2020年6月10日 17時
