281時間目 ページ1
家に帰ると既に叔父さんは帰宅していた。私は意を決してリビングに行き、話があると切り出す。２人は驚いた様子だったが、私の顔を見て察したのかソファーに座るように促した。
『………心配かけてごめんなさい』
ソファーに座った後、私は口を開いた。
『あの日はお母さんの誕生日で、無性にお母さんに会いたくなったんです。死のうとしたのは無意識でしたけど…』
２人は静かに私の話を聞いている。
『…私、本当はお母さんとお父さんに会いたくて仕方なかったんです。それが出来ない事もちゃんと分かってます。
２人はこんなに良くしてくれてるのに、そんな風に思ってしまう自分が嫌いでした。だからせめて、迷惑だけはかけないようにって…』
「………私ね…」
ポツリと叔母さんが呟いた。
「私、Aちゃんが来てくれて嬉しかったの。本当の娘みたいで…。でも、子供がいた事なかったから私自身もよく分からない時はあった。遠慮させていたのは私達の原因でもある」
叔母さんは困った様に笑った。叔父さんも躊躇いながらも言葉を繋ぐ。
「良かれと思って連れて来たし、君の選択を尊重していた。だけど、結局は自分達のエゴを押し付けていただけなのかもしれない」
『ーッ違います！ここに来たのはエゴとか関係なく私自身の意思です。後悔なんて全くしていないし、本当に２人といれて嬉しいんです』
叔母さんと叔父さんは私を大切に思ってくれていた。私は２人の優しさに甘えていたのかもしれない。
『私のお母さんとお父さんはずっとあの２人です。それは何があっても変わりません。でも、叔母さんと叔父さんも…私の“家族”なんです』
２人は目を見張る。叔母さんに至っては瞳が揺れていた。
「…前にも言ったけど…Aちゃんが幸せならそれでいいの…。いいんだけどね、…私達は貴方を娘の様に思っているの」
『……はい…』
「だからね…少しくらい、我儘とかを言って欲しいの。良い子にならなくても良いから…遠慮されるのはやっぱり寂しい」
私は返事の代わりに下を向いて頷いた。
「勿論…これも私達のエゴだ。Aちゃんが好きにしていいんだよ」
その言葉にゆっくりと首を振って顔を上げる。
『ちゃんと言います。遠慮もしない様にします。だから…２人も私に気を遣わないで欲しいです。それが…私の我儘です』
私の言葉を聞いて、叔母さんの涙腺が決壊する。それを見てオロオロする叔父さんについ笑みが溢れた。
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uru(プロフ) - らぅさん» コメントありがとうございます！ここまで読んで下さり本当に嬉しいです！高校生編は最近連載し始めたので是非読んでみて下さい。 (2020年8月13日 21時) (
レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
らぅ - コメント失礼します！！題名に惹かれて1話を読んでからあっという間に7話まで読み進めてしまいました‥w本編終了後は【2】が良いです！！高校生になってからの夢主ちゃんと赤羽くんのいちゃいちゃも見たいし‥(((長文失礼しました！！更新頑張ってください！！ (2020年8月13日 20時) (レス) id: 825ada6d1a (このIDを非表示/違反報告)
uru(プロフ) - 澪桜さん» ありがとうございます、頑張ります！本編と共に、オリジナルの方も少しずつ考えていますので、是非楽しみに待っていて下さい！ (2020年7月4日 20時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
澪桜(プロフ) - わーこれからどうなるのー！？ヤバい！めっちゃ楽しみです！！いつも勉強の合間に読んでて毎日の癒しなんですよ〜。だけどだんだん終わりが近づいてきて少しさみしいな〜なんて笑これからも頑張ってくださいね！uruさんのオリジナルのやつも楽しみにしてます！ (2020年7月4日 18時) (レス) id: 5d0f326b17 (このIDを非表示/違反報告)
uru(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» コメントありがとうございます！確かに…高校生編はあまりありませんね… (2020年6月21日 12時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憂流 | 作成日時：2020年6月10日 17時
