ピエローtwoー (ページ37)

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83時間目ページ37

噴出されたガス。そのことから、前にいる人がただの客人ではない事が分かる。

「何故分かった？殺気を見せずすれ違い様殺る。俺の十八番だったんだがなオカッパちゃん」

「だっておじさん、ホテルで最初にサービスドリンク配った人でしょ？」

不破さんの言葉に思い出す。確かにあの人だ。そんな人がここにいるなんて、やっぱりおかしい。

「断定するには証拠は無いぜ、ドリンクじゃ無くても…ウイルスを盛る機会は沢山あるだろ」

「皆が感染したのは飲食物に入ったウイルスからって竹林君が言ってた。

クラス全員が同じ物を口にしたのはあのドリンクと船上でのディナーだけ。けど、ディナーを食べずに映像編集してた三村君と岡島君も感染した事から、感染源は昼間のドリンクに絞られる。

従って、犯人は貴方よおじさん君！！」

凄い。こんな状況で冷静に推理ができるなんて。

「凄いよ不破さん！」

「なんか探偵みたい！」

潮田君とカエデちゃんの言葉に、得意気に笑う不破さん。

その時、烏間先生がガクッと膝をついた。

「俺特製の室内用麻酔ガスだ。一瞬吸えば象すら気絶するし、外気に触れればすぐ分解して証拠も残らん」

「ウイルスの開発者もあなたですね。無駄に感染を広げない。取引向きでこれまた実用的だ｣

「さぁね、只お前達に取引の意思がない事はよく分かった。交渉決裂、ボスに報告するとするか」

そう言った刹那、私達は退路を塞ぐ。殺し屋は驚きを露わにした。

「敵と遭遇した場合、即座に退路を塞ぎ連絡を断つ。指示は全て済ませてある」

烏間先生はよろよろと立ち上がる。

「お前は…我々を見た瞬間に攻撃せず報告に帰るべきだったな｣

烏間先生は毒ガスを噴射される前に、すごい速さで相手を蹴りあげた。

流石烏間先生、と思った時…

「「「烏間先生！！」」」

烏間先生は力無く倒れた。