ピエローtwoー (ページ34)

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80時間目ページ34

殺せんせーに言われ、やって来たのはホテルの裏の崖。

「敵の意のままになりたくないなら手段は１つ。

患者１０人と看病に残した２人を除き、動ける生徒全員でここから侵入し、最上階を奇襲して治療薬を奪い取る！！」

「危険すぎる。この手馴れた脅迫の手口、敵は明らかにプロの者だぞ」

「ええ、しかも私は君達の安全を守れない。大人しく私を渡した方が得策かもしれません。

どうしますか？全ては君達と…指揮官の烏間先生次第です」

怖い、なんて言っている場合じゃない。崖に手をかけ、私達は登って行く。

「でも、未知のホテルで未知の敵と戦う訓練はしていないから。烏間先生、難しいけどしっかり指揮頼みますよ」

「おお、ふざけた真似した奴等にきっちり落とし前つけてやる」

やる気に満ちている私達に驚く烏間先生。

「見ての通り、彼等はただの生徒ではない。あなたの元には１４人の特殊部隊がいるんですよ。

さあ、時間はないですよ？」

烏間先生も覚悟を決めたようだ。

「注目！！目標、山頂ホテル最上階！！隠密潜入から奇襲への連続ミッション！！ハンドサインや連携については訓練のものをこのまま使う！！いつもと違うのは標的のみ！！３分でマップを叩き込め！！

１９時５０分、作戦開始！！」

「「「おう！！」」」

ー

上を見れば、ひょいひょいと身軽に登るひなたちゃんがいた。

「やっぱ身軽だな、岡野は」

「ああ、こういう事やらせたらクラス１だ」

裏山でのクライミングがここで役に立って良かったと思いながら、慎重に崖を登る。

「つうか、ビッチ先生なんでついて来たんだ？」

「留守番とか除け者みたいで嫌なんだって」

下を見ると、ビッチ先生は叫びながら烏間先生にしがみついている。

「フン、足手まといにならなきゃいいけどな」

あと少しで頂上という時、上から手が伸びて来た。

『赤羽君…』

「ほら、掴まって」

何度この手に助けられているんだろう。そう思いながら、赤羽君の手に自分の手を重ねた。