ピエローtwoー (ページ26)

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72時間目ページ26

次の時間になると、赤羽君は教室に戻ってきた。とても不機嫌そうだったため、殺せんせーに何か言われたのかもしれない。

「さて皆さん、素晴らしい成績でした。5教科プラス総合6つ中、皆さんが取れたのは3つです。早速暗殺の方を始めましょうか、どうぞ3本ご自由に」

３本なんて痛くも痒くもないのか、殺せんせーはその余裕を隠しもしない。そこで立ち上がったのは、寺坂君達だ。

「おい待てよタコ、5教科のトップは3人じゃねーぞ」

「3人ですよ寺坂君。国、英、社、理、数全て合わせて…」

「はァ？阿保抜かせ」

寺坂君はテスト用紙を教卓に投げる。

「5教科っつったら、国、英、社、理…後''家''だろ」

家庭科…！そうか、その手があった。予想外の事に殺せんせーは慌てている。

「ちょ待って！家庭科なんてテストのついででしょ！！こんなのだけに何本気で100点取ってるんですか君達は！！」

「だーれもどの5教科とは言ってねーよな」

してやったりな顔をする寺坂君達。千葉君が後ろを向いて赤羽君に何か合図を送っている。

「ついでとか家庭科さんに失礼じゃね殺せんせー？５教科の中じゃ最強と呼ばれる家庭科さんにさ」

赤羽君に続いて、クラスのみんなもそれに加わる。逃げる事を許されない状況により、結局、触手7本に決定した。

「それと殺せんせー、これは皆で相談したんですが…この暗殺に、今回の賭けの戦利品も使わせてもらいます」

磯貝君が手を挙げて言った。戦利品を何にするのかは、メグちゃんに聞いていた。

ー

期末が終わり、1学期の終業式。

赤羽君は珍しく参加するようだ。私はサボろうとしたが、それより先にメグちゃんに捕まり参加させられた。
体育館に入ると、丁度前から歩いて浅野君達が歩いて来ていた。私はそれを見てみんなの影に隠れる。

「何の用かな？式の準備でＥ組に構う暇なんてないけど」

冷たい声で言う浅野君。私からしてみれば、そんな浅野君の方が珍しく感じるかもしれない。

「おーう待て待て、何か忘れてんじゃねーのか？」

寺坂君が挑発するように言う。

「浅野、賭けてたよな。5教科を多くとったクラスが１つ要求出来るって。要件はさっきメールで送信したけど、あれで構わないよな？」

苛立ちを見せているＡ組。それもそうだろう。いつも見下しているＥ組に負けたのだから。

しかし、彼等は悔しさをグッと堪え、そのまま横を通り過ぎて行った。