ピエローtwoー (ページ22)

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68時間目ページ22

「珍しく気合入ってんじゃん、奥田さん」

「はい！理科だけなら私の大の得意ですから！やっと皆の役に立てるかも！」

そう言って奥田さんは嬉しそうに笑った。

「そうだね。１教科限定なら、上位ランカーは結構いるから…皆もかなり本気でトップを狙ってるね」

カエデちゃんの言葉に頷く。私も得意科目で１位を取れたらいいのだけど。そう上手くはいかないだろう。

「あと心配なのは…理事長の妨害かな」

話をしていると、杉野君の携帯が鳴った。

「おう、進藤か」

進藤君って野球部の…？そう思っていると杉野君がスピーカーにして皆に聞こえるようにしてくれる。

［少なくともＥ組脱出は不可能になりつつあるぞ。今、会議室にＡ組が集まってる。

俺達３年のクラスの序列は最下層にお前らＥ組。横並びにＢ・Ｃ・Ｄ組。そして頂点は成績優秀者をよりすぐった特進クラスのＡ組がある。

そのＡ組が全員集結して自主勉強会を開いているんだ。こんなの初めて見る。音頭を取る中心メンバーは、''五英傑''と呼ばれるうちが誇る天才たちだ］

五英傑…。懐かしい言葉に胸が痛くなった。

［中間テスト総合２位！！他を圧倒するマスコミ志望の社会知識！！放送部部長荒木鉄平！！

中間テスト総合３位！！人文系コンクールを総ナメにした鋭利な詩人！！生徒会書記榊原蓮！！

中間テスト総合５位！！４位を奪った赤羽への雪辱に燃える暗記の鬼、生物部部長小山夏彦！！

中間テスト総合６位！！性格はともかく語学力は本物だ！！生徒会議長瀬尾智也！！

そして…俺達の学年で生徒の頂点に君臨するのが中間テスト１位、全国模試１位…

支配者の遺伝子、あの理事長の１人息子だ。
生徒会長浅野学秀］

「ねぇ、Aちゃん。Ａ組だったから、五英傑の事知ってる？」

『…はい。特に浅野君はズバ抜けてすごかったです。教えるのも上手でしたし、私がいくら勉強しても浅野君を抜く事は１度も出来ませんでした』

よく知ってる…特に浅野君は…。