ピエローtwoー (ページ20)

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66時間目ページ20

「で、どーすんの？俺らも賞金持って行かれんの嫌だし、そもそも、みんなあんたの作戦で死にかけてるし。ついでに寺坂もボコられてるし。

まだ続ける気ならこっちも全力で水遊びさせてもらうけど？」

「…してやられたな。丁寧に積み上げた全力が…。たかが生徒の作戦と実行でメチャメチャにされてしまった。

…ここは引こう。触手の制御作用は感情に大きく作用される危険な代物。この子等を皆殺しにしようものなら…反物質臓がどう暴走するかも分からん。帰るよ、イトナ」

堀部君は納得いってないようだったが、シロさんについて去って行った。

ー

「そーいや寺坂君。さっき私の事散々いってたよね。ヘヴィとかふとましいとか」

「い、いやあれは状況を客観的に分析してだな」

原さんに詰め寄られ焦る寺坂君。自業自得だ。

「言い訳無用！動けるデブの恐ろしさ見せてあげるわ」

「あーあ、ほんと無神経だよな寺坂は。そんなんだから人の掌の上で転がされるんだよ」

そんな2人を見て、悪い顔をして笑う赤羽君。

「うるせー！！テメーも高い所から見てんじゃねー！」

そう言って寺坂君は赤羽君を勢いよく落とした。はあ！？と赤羽君が文句を言う声が聞こえる。

「ってか、水本。テメーもずっと上からじゃねーか」

『えっ！？』

急に対象が私に移り、思わず焦る。寺坂君は私が水が駄目だと知らないようだ。逃げようとした私の腕を寺坂君に掴まれそうになった時、

「…水本さんは駄目」

怖い顔をした赤羽君が、その腕をいち早く掴んだ。

「ああ？何で水本は…」

「寺坂君？Aちゃんに手ー出したら許さないよ？」

その様子を見ていた桃花ちゃん、メグちゃんなど一部の女子が、黒いオーラを出して寺坂君に詰め寄っていく。

なんとか助かった…？

ホッとした後、赤羽君にお礼を言おうと彼の姿を探す。なぜか始まった泥水を飲ませ合う乱闘の中にその姿を見つけ、「あ、無理だな…」と内心思う。落ち着くまで、乱闘をカエデちゃんや奥田さんと見守ることにした。

シロさんが殺せんせーの弱点を言っていたのも忘れて…