ピエローtwoー (ページ18)

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64時間目ページ18

「おいカルマ、ふざけてんのか？原が１番あぶねーだろうが！！ふとましいから身動き取れねーし、ヘヴィだから枝も折れそうだ！！」

あまりにデリカシーのない言葉に少し苦笑いする。原さんに後で怒られるのではないか。

「…寺坂さぁ。昨日と同じシャツ着てんだろ。同じ所にシミあるし」

そう言いながら赤羽君は寺坂君の襟元を掴む。

「ズボラだよなー。やっぱお前悪巧みとか向いてないわ」

赤羽君の言葉に苛立つ寺坂君。だけど、赤羽君は気にする様子もなく、言葉を紡ぐ。

「でもな、頭は馬鹿でも体力と実行力持ってるから、お前を軸に作戦立てるの面白いんだ。俺を信じて動いてよ。悪いようにはならないから」

「…バカは余計だ。いいから早く指示よこせ」

ー

「さぁて、足元の触手も水を吸って動かなくなって来たね。トドメにかかろうイトナ。

邪魔な触手を全て落とし、その上で“心臓”を…」

「おい、シロ！！イトナ！！」

緊迫した場の中へ、寺坂君が無理矢理入っていく。

「よくも俺を騙してくれたな」

「まぁそう怒るなよ、ちょっとクラスメイトを巻き込んじゃっただけじゃないか」

''ちょっと''？

１歩間違えれば、取り返しがつかない事になっていたかもしれないのに。私達の命を何だと思っているんだ。

「うるせぇ！！テメーらは許さねぇ！」

そう叫んで、寺坂君はシャツを脱いだ。

「イトナ！テメェ俺とタイマン張れや！！」

「止めなさい寺坂君！！君が勝てる相手じゃない！！」

殺せんせーが必死で止めようとするが、寺坂君は従わない。

「黙らせろイトナ」

「カルマ君！！」

潮田君が思わずといった様子で叫んだ。

「いいんだよ。あのシロは俺達生徒を殺すことが目的じゃない。生きているからこそ、殺せんせーの集中力を削げるんだ」

心配そうなみんなとは違い、赤羽君は冷静だ。何か考えがあるのだろう。