ピエローtwoー (ページ13)

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59時間目ページ13

「すげー！！」

吉田君の歓喜の声が上がる。殺せんせーが前に吉田君が見ていた雑誌のバイクをプールの廃材で作ったみたいだが、とてもリアルだ。

「何してんだよ、吉田」

そこへ寺坂君が入って来た。

「あ、寺坂。い、いやぁ…この前こいつとバイクの話で盛り上がっちまってよ。うちの学校、こーいうの興味ある人いねーから」

寺坂君を見て少し焦った様子の吉田君。殺せんせーと仲良さげにしている事が、寺坂君にとっては気に入らない事だからだ。

「ヌルフフフ。先生は大人な上に漢の中の漢。この手の趣味も一通り齧ってます。しかもこのバイク、最高時速300km出るんですって。先生1度本物に乗ってみたいもんです」

「アホか。抱き抱えて飛んだ方が速えだろ」

そのやり取りに笑いが起きる。その時、寺坂君がバイクを思い切り蹴り倒した。倒れたバイクは壊れてしまっている。

いくら気に入らなくてもやり過ぎだ。

「にゅやーっ！？」

「なんて事すんだよ、寺坂！！」

「謝ってやんなよ！！大人な上に漢の中の漢の殺せんせーが泣いてるよ！？」

吉田君と莉桜ちゃんが抗議する。クラス全員が寺坂君に向かってブーイングをした。

「…てめーら、ブンブンうるせーな。虫みたいに。駆除してやるよ」

そう言って寺坂君は、自分の机から取り出した殺虫剤を思い切り床に叩きつける。その衝撃で、割れた缶から勢いよく殺虫剤が飛び出した。

「何だこれ！」

「殺虫剤！？」

突然の事で口を塞ぐのが遅れ、粉を少し吸い込み咳き込んでしまう。

「寺坂君！ヤンチャするにも限度ってものが…」

「触んじゃねーよモンスター。気持ちわりーんだよ、テメーも、モンスターに操られて仲良し小好しのテメーらも」