【呪術廻戦】目が覚めると若返ってた

#25 ページ25

心待ちにしていたお土産は、私の元へは来なかった。


素直で、明るくて、時々生意気な、でもそんな所も可愛い。


本当に可愛い可愛い私の後輩が、死んだ。


『…はいばら』

血塗れになった灰原は、呼びかけても目を開けない。血なんてものが付いていなければ、ただ寝ている様に見えた。

「何て事は無い２級呪霊の討伐任務のハズだったのに…！！クソッ…！！産土神信仰…アレは土地神でした…１級案件だ…！！」

普段冷静な癖に。感情を表に出す七海を見て灰原は本当に死んだのだと自覚させられる。なんて、元々知っていた癖に。それでも尚、助けようとしなかった最低な奴が悲しむ権利なんてないだろう。

だけど仲間の死は、何回体験しても慣れるものではない。ご飯を食べ過ぎた後、やけ酒した後、病気の時みたいな、胃の奥から熱いものがせり上がってくる感じ。とにかく気分が悪い。それに尽きる。

「今はとにかく休め、七海。任務は悟が引き継いだ」

「…もうあの人１人で良くないですか？」


…ほんとそれ。

五条悟は最強で、最強は五条悟だ。その事がどれだけ…


…あ、そっか。漸く思い出した。


前の私は、劣等感の塊だったんだな。

すごい同級生に囲まれて、逃げたかったんだな。


「A、もう見ない方が良い」

『………うん』



それが、五条を拒絶した理由だ。



ーーーーー


『夏油、任務ー？』

「！、ああ…」

『お土産はー？』

夏油は苦笑いして、今回は無いと答えた。それもそうだろう。強請っておいて何だが、私はこれから夏油がする事を知っている。

止める…？いや、そんなつもりはない。

『行ってらっしゃい』

「…ああ、行ってくる」


寧ろ快く送り出した。

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