#5 ページ6
「A、コンビニ行こーぜ」
『行く行くー』
放課後、五条にコンビニへ誘われ快く了承する。甘いものが食べたかったから、丁度行きたいと思っていたのだ。
コンビニに行ってスイーツを物色し、結局手に取ったのはバニラ味のカップアイスだった。
店員にスプーンを貰い、食べながら帰る私を五条は可笑しそうに見つめる。
『何?1口いる?』
ほらよ、とアイスを掬ったスプーンを私より随分と上にある口元目掛けて差し出す。サングラスがズレて、五条の見開かれた青い瞳が見えた。
『…いらないの?』
「は、あ、…いやいる」
珍しく吃りながらも五条は少し屈み、アイスを口に入れる。
『美味しい?』
「…ん」
顔半分を手で覆い黙り込む五条。変な奴だな。
私はまたアイスを掬って口に入れる。微かに香るバニラの甘い匂い。綿雪の様に軽く舌の上でフワッと溶けた。味わいは濃厚なのにさっぱりとしている。
「なあ」
アイスを堪能していると、黙っていた五条が口を開いた。
「少しも意識しないのかよ」
『…何を』
「…お前、マジで何も分かんねーの?」
私はアイスを食べるのを止め、五条の方に視線を向ける。それと同時に歩くのも中断した。
『…だから何を……?』
六眼持ちで何かと敏いアンタみたいに何でも分かると思うなよ。と、文句を言おうとして止めた。
"…お前、マジで何も分かんねーの?"
何だ、この既視感は。
183人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そーすはか? - 終わり方…!主人公は3回目、どう生きるんだ… (2021年9月25日 16時) (レス) @page41 id: ee38c723d2 (このIDを非表示/違反報告)
憂流(プロフ) - よるさん» おー!本当ですか!?ありがとうございます!! (2021年8月11日 17時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 終わり方がループっぽくてゾクってした!面白かった! (2021年8月10日 22時) (レス) id: de8c93495d (このIDを非表示/違反報告)
憂流(プロフ) - 葵さん» うああああ!!ありがとうございます!!!! (2021年7月6日 21時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - うっほぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!泣いたァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(うるさいですねすみません!) (2021年7月4日 20時) (レス) id: 4534ab9975 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:憂流 | 作成日時:2021年2月22日 10時