【呪術廻戦】目が覚めると若返ってた

#3 ページ4

五条悟。


誰もが知る最強の呪術師。



あんたが此処にいるのは絶対にあり得ないのだ。

此処は死後の世界の筈だろう。五条悟が死んだ？巫山戯るな。そうなれば現世も死後の世界と変わらなくなる。人間全員もれなく若返りだ。

黙っている私を、五条は怪訝そうに見てくる。

「何、こいつどうしたんだよ？」

硝子の方に向き直り、説明を求める。硝子は肩をすくめ、呆れた表情を浮かべた。

「だから言ってるじゃん、おかしいって。さっきなんて、自分は死んだんだって言うし」

「は？」

硝子の言葉に五条は眉を寄せた。

「何言ってんだ」

まだ寝惚けてんのか、そう言って私の頬を遠慮なく抓る。痛い。女子の頬を抓るとは良い度胸だな。

「痛い？」

『当たり前』

「なら夢じゃないのは分かっただろ」

それはそうだが。夢じゃない、ならこれは何だ。

にやりと笑うそいつは、最期に見た時より随分と幼い。変わらないのは目立つ白髪に宝石の様に綺麗な瞳。

しかしそれも、大人の時よりもキラキラと光って見えた。

『……五条』

「あ？」

『…目ぇ覚めた』

私は今、間違いなく高専時代にいる。

「あっそ、」

記憶の中にある青い春。確かにここで過ごした、炭酸の様に弾け、爽やかな日々。

『(…よりにもよってこの時代とはねぇ)』


神様の悪戯か。それともバグか。

どうやら私は、高専時代に逆行した様だ。

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