好き、嫌い、やっぱり愛してる【五条悟】

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「…分かったよ」

察した様子の夏油君は、気を利かせてこの場を去ってくれた。

『話すから、もう腕を掴まなくていいわ』

そう言えば、五条悟は複雑そうな顔をしながら手を離す。

『諦めたのか、そう聞いたわよね』

こっちを向けと彼が言ったのに、今は私から目を逸らしている。

本当に、読めない人ね。


『……好きよ』


言った瞬間、五条悟は驚いた様な表情で私を見た。


『五条悟が好き、諦めるわけないじゃない』

「…は、なら何で…」

『押してダメなら引いてみろ、という言葉に従っただけ。どうかしら？少しは意識した？』

全てを理解したのか、五条悟は一気に脱力する。安心した様に見えるのは私の気のせいなのか。

「あー、マジで騙された」

『硝子のアイデアよ』

「だろうな、Aが思いつく訳ねーし」

『…何よそれ』

ムッとすれば、ケラケラと笑われた。

『安心した？』

「…まさか。何で俺が」


…やっぱり気のせいね。


『好き。五条悟、私と付き合いなさい』

「今はまだムリ」


立ち上がって言った五条悟の返事はいつもと同じ。

今日も私はフラれて…



…………………？


今はまだ(・・・・)？




「…何してんだよ？行かねーの？」




同じじゃない。



その返事は…いつもと違う。





───────あと、７２０日

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