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#29 ページ31

あつい。


風邪特有の怠さと寝苦しさを感じ、重い瞼を上に押し上げる。声を漏らしながらベッド脇を見ると、小さな背中が見えた。

『……硝子…』

まだ声は掠れていた。振り向いた硝子は、「よっ」と返事をする。それから、カチャリと音を立てながら床に置いていた小さな鍋を持ち上げ、私に見せた。

「ご飯食べれる?何か食べないと薬飲めないから」

''少しだけなら…''

上半身をゆっくりと起こせば、少し前より目眩は感じなかったが、まだ鈍く頭が痛む。そして何より全身がとにかく熱い。

「熱は?」

''分からないけど…上がってるかもしれないわ''

「薬飲めば下がるでしょ」

それはそうよ、と言う代わりに笑う。口からは掠れた音しか出なかったのだけど。

鍋の蓋を取ると、卵粥が湯気を纏って現れる。誰かが作ってくれたのかしら。適量を掬って口に入れると、出汁の香りを1番に感じた。ふんわりとした卵と米が舌を伝い、優しい味が広がる。

そういえば…彼は。

「五条なら私が来たら出て行ったよ」

『!?、な…』

「顔に書いてる。五条はどこかって」

…そんなに顔に出ているのかしら。熱が出ているから、表情管理が出来ていないだけ?

「念押されたよ。絶対1人にすんなって」

ニィっと口角を上げ、揶揄う様に私に言う硝子。それにただでさえ熱い体がもっと熱くなってしまうのだから、私の体はとても正直みたいね。


「分からない奴だな、彼奴も」


それは私も同感。

冷たかったり、今日みたいにうんと優しかったり。


そんな所が好きなのだけど、そんな所が彼の事を分かりにくくしている理由で難しい。




───────あと、703日

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ななき - もー死ぬほどキュンキュンとまりません、もっとお願いします!!!!!!?!!!!!! (11月30日 23時) (レス) @page46 id: f371c2d5cf (このIDを非表示/違反報告)
憂流(プロフ) - 水泳進化人さん» 嬉しいです!ありがとうございます!! (2021年6月28日 17時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
水泳進化人(プロフ) - あー…好き、めちゃめちゃ好き…それだけです。 (2021年6月19日 19時) (レス) id: ddf2ca19b2 (このIDを非表示/違反報告)
憂流(プロフ) - 星空の砂時計さん» ありがとうございます!!更新ゆっくりですがこれからもよろしくお願いします!作品、機会があれば読ませて頂きますね…! (2021年4月17日 23時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
星空の砂時計 - とても面白いですね♪ 作者さんのペースで更新を頑張ってくださいね! 私も呪術廻戦にハマり、作品を書いている者なので機会があれば何処かでお会いしましょう! *´▽`* (2021年4月17日 16時) (レス) id: a21ef6301e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:憂流 | 作成日時:2021年2月15日 18時

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