好き、嫌い、やっぱり愛してる【五条悟】

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呆れた様にそう言った五条悟を見上げる。何、馬鹿にしてるの…？

『六眼で見れば良いじゃない』

「皮肉？」

分かってる。六眼はあくまで呪力の詳細が見えるだけ。他人の頭の中の事まで見える訳ではない。


『…分からないわ。五条悟には』


きっと。一生。


「……」

『……』


……な、何で黙ってるのよ。いつもみたいに何か言いなさいよ。黙ってるのが逆に怖いわ。

「…帰ろうぜ。疲れた」

言われた言葉はどこか冷たかった。

『え？…あ、そうね。すぐお会計するわ』

先に店を出てしまった五条悟を横目に見ながら、すぐにお会計をして私も外に出る。入り口横に佇んでいた彼は夜空をぼんやりと見つめていた。

その姿があまりに綺麗で、思わずほぉ、吐息を吐く。

『…五条悟』
　
「……何？」

『どうして拗ねてるの？』

「拗ねてねー。お前にだって俺の事は分からねぇよ」

拗ねてるじゃない。どうして拗ねるのかも、私にはよく分からないまま。

『…嫌味として言ったつもりじゃないの。…ううん、やっぱり嫌味なのかしら。そうよ。五条悟は私の事は分からないし、私も五条悟の事が分からない』

だから今、こんな風に怒ってるんじゃない。

『…言ってくれなきゃ分からないわ』

私は決して聡い方ではないから。


『五条悟。今はまだって、どういう意味？』


だから言って。貴方の気持ちをちゃんと。


私に今、どれだけ可能性があるのか。

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