好き、嫌い、やっぱり愛してる【五条悟】

#11 ページ13

掴まれたままだった手は、コンビニの中に入ると同時に離された。迷子にならない様に、という事だったのか…。何か他の…と期待してしまっていた自分がとても恥ずかしかった。

「…で？何買うんだよ」

『え…？あ。甘い物以外って頼まれて…』

……甘い物以外。つまり、甘い物の反対を買えば良いのかしら？

「……おい、」

振り向くと、引き攣った表情を浮かべる五条悟と目が合った。

「まさかそれ買うのか？」

『？、えぇ…』

甘い物の反対。つまり、辛い物でしょう？

商品棚から取った、''激辛カップラーメン''をマジマジと見つめる。

「夜にラーメンは太るぞ」

『女性にそんな事言わないでくれないかしら？』

五条悟は嫌そうにしながら、「んなもん食べる奴の気が知れねー」と呟いた。それから、私の手からラーメンを奪い、勝手に棚に戻す。

「もっと他のあるだろ」

『…甘い物以外と言われたら…あとはお煎餅くらいしか思いつかないわ』

「……ラーメンよりマシじゃね？」

…それもそうね。

世間一般がどうなのかは知らないけど、五条悟の言う通り夜遅くにカップラーメンを食べるのは健康的に良くない。
ラーメンのコーナーから菓子類のコーナーへ移動して、お煎餅を物色する。

『？…！！、ご、五条悟！！』

突然大きな声で名前を呼んだ私に、五条悟は顔を歪ませた。

「何だよ…」

『こ、これ！！』

私は顔の前にあるお煎餅を差し出す。

『唐辛子あられ旨辛ハバネロ！』

「は…何て？」

『唐辛子あられ旨辛ハバネロ！甘くないし辛いわ！』

何てぴったりなのかしら。これなら硝子も喜んでくれる筈。


「…マジAの思考回路を１回見てみてぇわ」

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