第八十九話 ページ42
頸を斬るように刀を振るうも、壺に引っ込んだ玉壺はいつの間にか屋根の上の壺へ移動していた。
「まだ作品の説明は終わってない!最後まで、ちゃんと聞かれよ。私のこだわりはその壺の…」
玉壺の言葉を遮る様にまたむいくんが攻撃し、今度は壺が真っ二つに割れた。
「よくも斬りましたねぇ、私の壺を…芸術を!!審美眼のない猿めが!!
脳まで筋肉で出来ているような貴様らには私の作品を理解する力は無いのだろう。それもまた良し!!」
壺を壊されて怒り心頭の玉壺は攻撃に転じる。手に持った水草模様の壺から金魚が現れた。
「千本針 魚殺」
その金魚が口から大量の針を吹き出す。
むいくんは瞬時に身をかわすが、第二波が鉄穴森さんと小鉄君の方に行く。
「わああ!!」
「小鉄少年!!」
『ーッ!!』
2人を庇い前に出る。衝撃に備えギュッと目を瞑るが、中々痛みはやって来なかった。
「あっ!時透殿!!」
『…むいくん!?』
目の前には、全身に針が刺さったむいくんが立っていた。
何で…。原作でもこうして庇ったせいで針が刺さったから。だから私が代わりになろうとしたのに。
『どうして庇ったの…。私は…』
「いいから。邪魔だから隠れておいて」
『やだよ、私も戦う…!』
そう言えば、むいくんは眉根を寄せて私を見た。
「ヒョヒョヒョ、針だらけで随分滑稽な姿ですねぇ。どうです?毒で手足がじわじわと麻痺してきたのでは?
本当に滑稽だ。つまらない命を救ってつまらない場所で命を落とす」
笑いながら玉壺が言った言葉にカチンとくる。
『つまらない命なんかじゃ無い!皆…皆尊くて大切な命だよ!』
「…貴方は私と同じ鬼なのに何故其方に?人間が食べたくないのです?」
「うるさい。つまらないのは君のお喋りだろ」
183人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
uru(プロフ) - 。さん» あけおめです! (2021年1月1日 16時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
。 - あけおめ。 (2021年1月1日 6時) (レス) id: 8e88cca1a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - uruさん» 頑張って下さい!!この作品大好きです!!!! (2020年12月14日 2時) (レス) id: 77801e03dc (このIDを非表示/違反報告)
uru(プロフ) - ゆらさん» ありがとうございます!そう言っていただきとても嬉しいです!! (2020年12月9日 18時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - うわああああ!もう!すきです!() (2020年12月8日 20時) (レス) id: 77801e03dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:憂流 | 作成日時:2020年10月25日 11時