第七十三話 ページ26
「邪魔するぜ」
『宇髄さん…!』
次の日、私が目覚めたと聞いた宇髄さんがお見舞いに来てくれた。
着物で髪を下ろしている姿は正直イケメンで目の保養だ。
「あん時はいきなり倒れて派手に驚いたわ」
『あ…えっと、すみません…』
「あまり心配かけんなよ」
そう言って大きな手でワシャワシャと頭を撫でる。
「毛玉みてぇ」
『もっと別の言い方、ありません!?』
私の反応を見てケラケラと笑う宇髄さん。これは完全に揶揄われている。
「何か褒美でもいるか?」
『え!くれるんですか…?』
「Aのお陰で左目が無事だったしな。派手に喜べよ」
『喜びます!』
何が良いか考えていると、「ちょっと」と声が入ってくる。
「……何してるんですか」
『あ、むいくん』
いつの間にか部屋に入って来ていたむいくんが、私達を目を細めて見ていた。
……今日も来てくれたんだ…。
「頑張った後輩を労ってただけだ」
ポンポンッと私の頭を2、3回優しく叩いて、宇髄さんは微笑んだ。それを見てむいくんは何故か顔を険しくする。
「じゃあ褒美はまた考えておけよ」
『はい、ありがとうございます』
宇髄さんが部屋から出ると、むいくんは私の隣に腰を下ろした。ギシッとベッドが軋む。
「…無防備すぎ」
そう呟いたむいくんはとても不機嫌そうだった。
『また、怒ってる…?』
「……別に」
『別にって…』
むいくんは一度私を見てから、溜め息を吐いた。
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uru(プロフ) - 。さん» あけおめです! (2021年1月1日 16時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
。 - あけおめ。 (2021年1月1日 6時) (レス) id: 8e88cca1a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - uruさん» 頑張って下さい!!この作品大好きです!!!! (2020年12月14日 2時) (レス) id: 77801e03dc (このIDを非表示/違反報告)
uru(プロフ) - ゆらさん» ありがとうございます!そう言っていただきとても嬉しいです!! (2020年12月9日 18時) (レス) id: 275269a074 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - うわああああ!もう!すきです!() (2020年12月8日 20時) (レス) id: 77801e03dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憂流 | 作成日時:2020年10月25日 11時