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声が出なくなってから、俺は部屋からでなくなっていた

体調も治ったし仕事はこなしているし、出陣も近待に伝えてもらっている

手入れの時ぐらいしかほとんど刀剣たちには会わなかった

それでもあえば心配されたし、喉にいいものを差し入れしてくれた

その度に頭を下げてお礼を言いながら部屋で食べていたりした

みんなには声は出ないのは風邪だと説明している

どうやら叫んだ声は聞こえたもののなんと言っていたかと、病気を見たのは鯰尾しかいなかったみたいだった

だから近待は勿論鯰尾だった

「おっはようございまーす!」

今日も扉をあけて俺の部屋にやってくる

その元気な声に俺は笑い返事をした

「ご飯、食べに行きませんか?」

俺の腕を引かれた

首をゆっくり横に降って否定したものの鯰尾はムッとした顔をして俺を無理やり持ち上げた

ずっと引きこもっていたせいか開いた扉の先の光が眩しい

目をぎゅっとつぶると大広間とは反対方向に向かって本丸の屋根の上に連れて行かれていた

「ここ、すごい眺めがいいんです。ご飯一緒に食べましょうか」

ずいっとおにぎりを差し出されるとゆっくり食べ進めていった

ぼーっと景色を眺めながらおにぎりを食べ終わるとまた無意識に泣きそうになって、それをぐっと抑えた

「……どうですか?少しは気分がはれましたか?」

尋ねられ顔を上げると俺の目を見て困ったように笑った

「泣いてもいいんですよ?溜め込むほうが辛いことですから。」

そう言われてもと思い首を振ると突然後ろから声がした

「…主」

それは骨喰の声だった

骨喰は俺と鯰尾を見ると何故か俺を挟むように座った

「俺も……持ってきた」

そっと骨喰が持っていた器をこちらに渡す

中には温かそうなスープが入っていた

「…燭台切が飲めと言っていた」

スープを受け取ってそっと飲んだ

そのあたたかさに少し冷えていた体も温まり

少し骨喰や鯰尾を警戒していた心が緩むと骨喰がゆっくりと口を開いた

「…今度は皆と、主で食事がしたい」

それだけ言うと俺の頭を撫でた

予想外の行動に少しくすぐったい気持ちになりながらもまだみんなと食事をしたいとは思えなかった

みなと食事をしたらまた俺は父さんとは違う俺を見せてしまう

それが俺の中でプレッシャーになっていた

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のびのび(プロフ) - あおりんごさん» だいぶ長らくおまたせしました…!なかなか内容がまとまらなくて頭抱えてました…。ありがとうございます!あおりんごさんも体調にお気をつけてくださいね!まったり更新しますがよろしくお願いします(。>人<。) (2019年11月5日 0時) (レス) id: 8c73939a44 (このIDを非表示/違反報告)
あおりんご(プロフ) - 更新ありがとうございます!!ソワソワと続きを待っていました〜!心情の表現が素敵です。最近気温が下がり寒くなってきたのでお体には十分お気をつけください。 (2019年11月4日 19時) (レス) id: 74f86b76bc (このIDを非表示/違反報告)
あおりんご(プロフ) - ( ´ω` )/ (2019年9月25日 1時) (レス) id: 74f86b76bc (このIDを非表示/違反報告)
あおりんご(プロフ) - おっ!!それは嬉しいですね、頑張ってください〜! (2019年7月1日 11時) (レス) id: 74f86b76bc (このIDを非表示/違反報告)
のびのび(プロフ) - あおりんごさん» こちらこそおまたせしてしまってすいません!リアルがやっと落ち着いてきたので週一ペースですが更新します!(っ´ω`c)ゆっくりですがよろしくお願いします! (2019年7月1日 0時) (レス) id: 8c73939a44 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年11月18日 12時

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