第6話 : 真実 ページ10
貴方side
雨が降り続く季節。
屋上に行けないのも雨のせいだったらいいのに…。
ぼんやりと窓の外を見た。
あれから神代くんとは会っていない。
始めは意地を張って
「向こうから謝りに来るまで絶対許してやらない」
とか思ってたけど。
でも、今はもう分からない。
本当に、神代くんは私のことを邪魔だと思っていたのかもしれない。
それなら、もう私から会いには行けない。
これ以上、嫌われたくないから…。
「おい、A。聞いてるのか？」
『あ…はい』
いけない。先生に説教されている途中だった。
「しかしお前…本当に最近の成績は酷すぎるぞ」
あの日から授業には出席するようになったが、全く授業に集中できていない。
成績も下がる一方だ。
「最近は授業をサボってないようで安心していたが、この調子だとお前卒業できないぞ？」
どうせこれからは神代くんに会えないんだ。
そんなつまらない生活、どうなったって…
「これじゃあ、神代が協力してくれたのも水の泡だな」
『え…それってどういう…』
「なんだ、アイツに聞かされてないのか？お前が最近サボり気味で、このままだと卒業できないって言ったら、神代が何とかするって」
何それ…。
じゃああれは…私を元の日常に戻すために？
わざと？
「あ、おい！説教はまだ終わってないぞ！」
『そんなの後でいくらでも聞きます！！』
勢いよく職員室を出た。
自分のクラスを通り過ぎ、隣のクラスの扉を勢いよく開けた。
案の定、クラスの人達の視線は私に注目している。
もちろん悪い意味で。
「ねぇ、あの人…」
「今度は何したんだろう」
怯える目、拒む目、憎む目…
もう見飽きたっての。
『ねぇ、神代類いない？』
クラス中を見渡しても、見当たらない。
パッと目が合った男子に聞いてみた。
男子はビクッと跳ね上がり、警戒した目で私を睨んでから口を開いた。
「アイツなら、ここしばらく来てねぇよ。いない方がこっちとしては有難いけど」
『！…そう。ありがと』
学校に来てない？いつから？
まさか…あの日からずっと？
そんなに私に会いたくないのかな…それとも
『この中に、彼の住所を知っている人はいる？』
クラス中が静まり返った。
しばらくして、恐る恐る1人の女子が手を挙げた。
「あ、あの…私知ってます。近所なんで」
『そっか、ありが…』
「教えるから、もう出てってくださいっ！」
ああ…まただ。
軽蔑の目…
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そら(プロフ) - 穂花さん» 類くんの優しさを少しでも表現できていたら嬉しいです！ (2023年1月7日 11時) (
レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
穂花 - 類くんの優しさがとても感じられました。 (2022年11月6日 21時) (レス) @page14 id: 088ffe93fa (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - てるっぴーさん» ありがとうございます！更新遅くなってしまってごめんなさい！良ければまた見に来てくれると嬉しいです！ (2022年10月10日 11時) (レス) id: 60384b3469 (このIDを非表示/違反報告)
てるっぴー(プロフ) - コメント失礼します。めちゃくちゃドストライクなお話です！自分のペースで更新頑張ってください！ (2022年9月10日 10時) (レス) @page10 id: 312a74a89f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そら | 作成日時：2022年8月17日 17時
