２人の神と天使の話。【イナオリ】 (ページ7)

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青い星を手にした者。ページ7

ここはどこだろう。
遊園地とか言う場所があったから来てみたけど、ここはきっとそうじゃない。反対側にあった、プラネタリウムとか言うのに入り込んだのかもしれない。

私が適当な場所から頭上を見上げると天井が動き、星が作り上げる形を追い始めた。

初めて見たがなんで人がこれを見たがるのか私には分からなかった。
星なんて夜空にいっぱい浮かんでいると言うのに何故わざわざこの狭い場所で見ようとするのだろう。疑問に唸っていると、ふと人目を弾く青い髪が目に入った。

青い、海のような髪の色だった。
海というには深海に近いかもしれない。
だが、深海にもどこか似ていない。
不思議な色だと思いながら彼の近くで星を眺めた。

そのとき、ふと唐突に彼の髪の色が何に似ているのかが理解できた。これは、夜空の色だ。夜空に浮かぶ星が淡い光で鮮やかに見えるのと同じだろう。
いやいや、すっきりした。

星に願いを込めましょう、そんな言葉をどこかで聞いたことがあった。どこだかは思い出せない。街中で不意に耳にしたのか、はたまた教えてもらったのか。だが、星に願い事をする風習がここにはあるらしい。

「どうか彼が、あの淡い光をいだき続けられますように」

祈りを捧げそっと離れると、すぐ近くで別の祈りの姿が見えた気がした。彼とよく似た凛々しい人の姿だった。
２人分の祈りならきっと叶うと思いながら私は明るくなったプラネタリウムを後にした。