彼女、体調悪いねんて。〔赤〕* (ページ3)

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甘やかすとは言うたものの、こんなに腕掴まれてたら動かれへん……

そう思いながら、普段あんまり見ることのない寝顔を眺めてみる。

化粧してなくても白い肌、長いまつ毛。

いや、別に見た目に惚れたわけちゃうけど、でも間違いなく、俺が出会って来た中で一番可愛い。

「はよ元気なれよな……」

そんなことを呟きながら、Aの柔らかい髪を撫でる。

まあこの時はもちろん、この先のことなんて全然何も考えてなかったけど。

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「んんっ……」

「あっ、起きた？おはよう。よう寝とったな」

「ぅん……」

「体調どない？喉渇いたやろ。せっかく水買って来たからちょっと飲む？取ってくるな、」

そう言いながら立ち上がろうと思ったら、思いっきり腕掴まれた。

いや、病人のくせして力強いな。

「なに？」

「……行かんとって、」

「いや、でも水取ってくるだけやって……」

「いややっ、……私も、連れてって、」

目うるうるさせて、そんな顔で見つめられたら断れへん。

ほんま今日どうしたん？甘えすぎちゃう？これが幼児退行ってやつなん？

「……もう、しゃーなしやで。ゆっくり立てる？」

「ぅん……」

相変わらずフラッフラの身体支えて立たせたけど、もう足に全然力入ってへん。

ただでさえ華奢な身体やのに、そのままぶっ倒れそうやん。

「……んもう、危なっかしいわ。ほら、乗れ」

「え……」

「ええから、はよ」

しゃがんで背中見せたら、遠慮しがちに乗ってくるA。

こんな軽かったっけ。

「……ちゃんとご飯食べてんの？」

「ん……、あんまり、」

とりあえずAのあっつい身体背負って、何か食べさせてやろうと思ってキッチンまで連れてった。

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