何も知らない (ページ9)

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番外編：年末ページ9

明けましておめでとう御座います。

年末・年明けということで一つ、それらに纏わる番外編を作らせていただきました。

このお話は本編の時間軸に全く沿っておりません。諸事情により登場しない方が多くいますが、御了承いただけると幸いです。

以上、作者からでした。良いお年を。

『絶対こうなると思った』

「対して強くないのに飲むからだろ…」

「老化じゃねぇの」

遡るは数刻前、お館様の御厚意によって突如開かれた忘年会という名の宴会。そこに偶然通りかかった私達も半ば強制的に参加することに。別に私自身宴会は大好物であるから嫌なわけではなかったのだが、こうなってしまえば話は別である。

何故年末に、それも非番(オフ)のこの夜に。私達は呑んだくれの後始末をしなければならないのだろうか。鬼殺し(例の酒)に手を伸ばしたあたりから雲行きは大分怪しかった。

自分達は強いから大丈夫だと散々笑っていたその結果がこれだ。お館様の配慮だからと一応は参加していたものの、早々にお酒はあまり得意でないと辞退した悲鳴嶼さん、付き合ってられるかと鍛練に戻った風柱以外はこの場で眠りこけている。

飲み比べの渦中にいた煉獄さん、クソばし…音柱は勿論酔い潰れ、楽しく呑んでた蜜璃ちゃんと伊黒さんも仲良く寝落ちた。そしてちびちび飲みながら私達とお話ししてた義勇さんもダウン、そもそも飲んでいないしのぶちゃん、時透君もぐっすり。どうなってんだうちの上司。

「飲み過ぎは体に良くないよなぁ。こら伊之助、目上の方になんてこと言うんだ！」

『だけどどうする？とりあえず片付けるけど…このまま雑魚寝させるのは少し気が引け…いや女性陣と時透くんだけどうにかすればいっか』

そうだそうしよう。そもそも自業自得だろ。
え、ほんと私達クソほども関係なくね？

「空瓶ってどこに置いた？」

「棚の横だ。A、それはちょっとまずくないか？義勇さんと煉獄さんに申し訳ないというか…」

何その大好き贔屓。露骨だよ炭治郎。

「勘次郎だって贔屓してんじゃねぇか」

『勘次郎はちょっと危なくない？伊之助』

「喧嘩してないでこっち手伝ってよ」

各々手を動かしながらぶつくさ言い合っていると、(炭治郎にとっては)タイミング良く禰豆子が目を擦りながら炭治郎の羽織の裾を引っ張った。

「よしよし、先に寝てていいぞ禰豆子」

…若干狡いような気もするけどこの兄妹顔が良いから全て許せる。はぁ幸せ。