何も知らない (ページ4)

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四度目ページ4

お昼休み。重い腰を持ち上げて東階段の下まできた訳だが。

まだかな、ご飯食べたいんだけどな。

「望月さん！」

あ、川西くん。よかった、お腹空いてるんだ。用件言ってくれればなんとかするから、出来るだけ巻いてくれ。お腹鳴っちゃうから。

「ごめんね。呼び出したの俺の方なのに遅れちゃって…その、緊張してたんだ…」

前置きは良いんだよ私は全然大丈夫だから。ただ早く終わらせてほしいんだよ私のお腹は全く大丈夫じゃないみたいだからね。

「…俺さ＿＿＿＿＿＿」

『ただいま〜』

「おー、お帰りA。
で？どうだったの？何て返した？」

全て知っているような目の前の友人に、冷ややかな目線を送るも、二種類のパンと眩しいくらいに輝く唐揚げの前には意味をなさなかった。

『なに、告白だって知ってたの？かなちゃん』

「そりゃ、川西くんの顔見たらね」

顔でわかるのか、この子はもしや何かしらの才能があるのかもしれないぞ。でも分かっていたのなら事前に教えてほしい。

あるでしょなんか、「えーそれ絶対告白ジャーン」「やばーい」みたいな女の子のノリ。

「私がそれやったら病院連れてくでしょ」

『なるほど、大きく理解できた』

「ぶん殴るよあんた」

言っておくが、かなちゃんはモテる。そして私もモテないと言ったら嘘になる。何が言いたいのかというと、つまり私達はモテる。

もう一つ、言いたいことがある。

折寺中学は、私達が元いた小学校からとても近い。それがあってか、知り合いが沢山いる。それも女の子の知り合いが圧倒的に多い。

何せこの中学校、かっちゃんがいる。かっちゃんもモテる。顔が良いから。そして出久くんも割りと女子人気が高い。可愛くて優しいから。

お分かりだろうか。まだよく分かっていない方がいるのなら、以上のことを考慮して次の質問に答えてほしい。

私には、かなちゃん以外に友達は何人いるか。

もうお分かりだろう、答えはゼロだ。

　
最初はいたんだ、最初は。だけど彼らと幼馴染みだと知ってまず半分。そして我らが女王、大高まりあちゃんによって残り半分が消えた。

私が男子人気が高いと広まると、誰も寄り付かなくなった。

かなちゃんいるから良いけどさ、私も皆で騒いだりしたかった。私宴会とかお祭りとか大好きだから。そうは見えないと良く言われるけど。

「Aちゃん！」

三つの元凶のうちの一人が登場。まぁいいんだ彼は。可愛いから。