何も知らない (ページ20)

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十五度目ページ20

始業式が終わり、大抵の生徒が怠そうな顔をして教室へ戻る。勿論私も例外でなく、先程から一行に欠伸が止まらない。

『うーん…眠い』

「ちょっと、邪魔なんだけど。それよりアンタ、そんなことしてていいの？

次、テストだけど。」

その言葉があまりにも衝撃的すぎてかなちゃんの机に伏せていた顔を勢い良く上げる。聞いてない聞いてない。なに？なんのテスト？

「夏休み明け課題テスト。ほら、三教科の。」

『………まぁじかぁ………』

終わったな、学年二位。こりゃ無理だ。別に良いけどね、どうせ定期テストじゃないんだし。いやいやいや、これあれじゃん？そこまで通信簿に影響ないんじゃん？え？だよね？

「まぁ、そうだね。授業態度部門に中々影響するみたいだけど、あんたなら素点で勝負できるだろうし。」

『結局影響はあるんじゃん……』

どのみち今からじゃ間に合わないんだし、諦めなよ。私も特に勉強してないし。そういうかなちゃんではあるが、彼女は篦棒に頭が良い。いや彼女の場合毎日の積み重ねと絶え間無い努力の結果なのだが。

「それに、これの範囲全部課題からだから。ちゃんとやってれば九割は余裕でしょ。」

流石に学年一位のいうことは違うな。今回多分だけど十位以内も難しいわ私。あ、順位つかないのかこれ。

『…出久はたぶん、めっちゃやってんだろうな』

なんだか今日は、胸騒ぎがする。私の予感なんてあたった試しがないけれど。でも、それでも。

テスト、そんなに点数悪いのかな私。